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20世紀最大の発明といえば

20世紀最大の発明といえば、なにか。

テレビに飛行機、新幹線。トランジスタにコンピュータ。男は黙ってカップラーメン。ひとによって、立場によって、いろんな答えがある問いだと思います。そのなかで、ぼくがなるほどそれは気づかなかった、と膝を打ったのが、本日訃報の届いたシンガポールの初代首相、リー・クアンユー氏の答えでした。

どこで読んだのか忘れましたが、彼は「20世紀最大の発明はエアコンである」というんです。エアコンによって、第三世界の労働環境は激変し、奇跡的な経済成長を遂げることができた。それ以前の第三世界は、およそひとが「労働」できる環境ではなかった。平和であることも独立することも大切な要素だが、エアコンなしに東南アジアの発展はありえなかった。そんなことをおっしゃっていました。

これはねえ、考えてもみなかったことだし、けれども少しがんばって考えれば想像のつく範囲にある答えでもあるし、なんだかびっくりしたなあ。それまでリー・クアンユー氏についてほとんど知らなかったんだけど、こんなことばが出てくるのなら大した人物に違いない、と仕事そっちのけで関連資料を取り寄せて読みふけりましたからねえ。

現場にいること、そしてつねに「ひと」を見つめて考えること。その大切さを教えてもらった、いまも忘れないことばです。ご冥福お祈りします。