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最高の1日を書いてみたら、食べ物のことばかりを考えていた

だいぶ前のことになってしまったが、7月のこと。オンラインで 古性のちさん(https://note.com/nontsu)が登壇されたイベントに参加していた。

その中で「理想の1日を書いてみるといい」というお話があり、わたしなりに理想の1日を考えてみた。

なんだか恥ずかしいわ、いや、そこは脳内ダダ漏れを信条としているので、引き続きダダ漏れでいく所存。

わかってないなこいつ、というところも若干あるかもだが、あくまで妄想物語だということをご承知いただきたい。


◆◆◆

5:40 起床

まあまあ早起きなわたし。

身支度をして、庭に出る。

着ているのは、長年愛用しているジーンズとTシャツだ。長く着られるものか、古着しか買っていなかったら、自然とワードローブがシンプルになってきた。


梅雨に入る前のわずかな時期にだけ感じる、フレッシュな風の匂い。思わずお腹がはち切れそうなくらいググーっと深呼吸をする。

小さな庭だけど、ずっとずっと欲しかったわたしだけの庭。庭には小さな畑と果樹。鳥がやってきて、小さな赤い実をつついている。



ここは、秋田県のある海沿いの街。
海風が強く、崖も多い。天候も変わりやすいエリアではあるけれど、地元に帰ってくるならここしかない、とずっと思っていた。

朝ご飯のお味噌汁用に、サラダ菜を数枚収穫する。休みの日を中心にお世話をしているが、すくすくと育つ畑の野菜たちの様子を見るのが毎日の楽しみである。

7:00 朝ご飯

土鍋で米を炊きつつ、昨日仕込んだきゅうりのピクルスを取り出す。ひと口つまみ食い。うん、いい感じに浸かってる。

冷蔵庫から卵を取り出し、ボウルに割り入れる。菜箸で適当に溶いて、フライパンに流し、ぷくぷく泡立つ卵を見つめる。

はあ、見ているだけで幸せなんだが。

ヴィーガンもどきなので、お肉はめっきり食べなくなってしまった。けれど、卵焼きと魚はどうしてもやめられなくて、ときどき食べている。

焼き上がった卵焼きを皿に乗せ、ご飯も盛り付ける。おこげの香ばしい香りで、思わず唾を飲む。ふぅ、今日も朝が始まる。


朝ごはんの片付けついでに、掃除・洗濯を一気に終わらせる。

掃除機は、だんだん必要性を感じなくなり手放したので、最近はめっきりほうきのお世話になっている。

ささっと床を掃き、洗濯は潮風が気になるので基本部屋干しだ。


一仕事終えたら、ささやかなコーヒータイム。
コーヒーを入れて、一息ついてから仕事へ向かう。

といっても、職場は隣である。

今のわたしは、本屋を営みながら、ときどき読み聞かせをしに行ったり、写真を撮りに行ったり、記事を書いたり、まあまあ何でも屋といったところだろうか。

自宅とお店は一続きになっていて、インドアなわたしにとっては非常にありがたい。


9:00 仕事開始

お店に移動したら、まずは、お店の掃除を始める。

掃除をしていると、昨日の売り上げイマイチだったんだよな〜、でもお客さんが本をじっくり見てくれて嬉しかったな〜、と思考が仕事モードへ切り替わっていく。

掃除をした後は、本の売り上げ状況に応じて本の追加をしたり、発注、POP作成などの細々した業務を終わらせる。

事務仕事がものすごい苦手で、朝イチで取り組まないとやる気がなくなる。
数字が嫌いすぎるけど、本屋を続けていくには大事なこと。怠ってはいけない。

11:00 昼食

早めに昼食をとる。
今日は、近所にひとつしかないパン屋さんでフランスパンを買った。サバと玉ねぎ、サラダ菜を合わせてサバサンドにする。

サバはご近所さんからのおすそわけ。
ここは魚がよくとれるので、おすそわけも多い。

コーヒーばかり飲んでいると身体に悪いので、お昼は自家製自家製ハーブティーを。これは、おすそわけのお礼にもよく渡しているもので、畑のハーブを乾燥させて作っている。

ここに引っ越してから、そんなこまごまとした趣味がたくさん増えた。

12:00 開店

本屋の看板を出して、扉のプレートをひっくり返す。お香に火をつける。ここまでが開店の儀式。

本屋の名前は「BOOKS PLOW」
一箱本屋時代の屋号をそのまま使っている。

PLOW=「すきという意味。畑を耕すのは、畑の状態を整えて、作物が成長しやすくため。
同じように、疲れたこころを耕して整える、そんな存在になりたくてつけた名前である。

こんなことを言うのもなんだけど、農業王国・秋田にぴったりじゃないか?と自画自賛。


海の近くだから、人がたくさんくるわけではないのだけど、遠方からもわざわざ来ていただけるのが嬉しい。

学生時代、雑誌を買うためだけに1時間自転車を漕いで本屋に行っていた経験から、大型の書店でなかなか手に入らなそうな本は積極的に入荷するようにしている。(小さな本屋なので難しいこともあるが……)

秋田ではここでしか取り扱ってない自費出版の本やZINEもある。一箱本屋時代のつながりから本をご紹介いただくことも。

わたしが文具好きなのもあり、POPを書いてもらったり、読書記録に使ってもらえるようなノートなども用意している。

このお店が、なんとなく心の拠り所のようなスペースになったらうれしいな、と思う。


14:30 1通のメール

お世話になっている、ある美容院からメールが届く。
どうやら、本の追加依頼のようだ。


この美容院をはじめ、カフェや雑貨屋さんなど、異業態のお店に本棚を設置させていただき、「出張本屋」のサービスを行なっている。
いわば、一箱本屋出張版といったところか。

本屋が少ないこのエリアでは、それなりに役に立っているようだ。


本が売れたようなので、こちらから客層や店の雰囲気に合いそうな本をいくつか選書しておく。閉店したら持って行こう。


15:30 少し休憩

人がいないタイミングで、おやつをつまみ食いする。今日はおかきをこっそり忍ばせてきた。だから太るんだよなあ。

でも食べることは好きなので、我慢はしない。おやつは大事。



ガラガラガラガラッ。

常連のお客さんだ。近所に住んでいる方で、よく覗きにきてくれる。世間話をちょこちょこしつつ、お菓子をおすそわけ。店内でドリップしたコーヒーも1杯。

平日は、夕方17:00以降にやってくるお客さんも多い。仕事帰りに寄ってくれているのだろうか?


合間をぬって、SNSのアップや本棚の調整、ドリンクストックなどもチェックする。

本棚の本を並べるのが実は1番好き。
面揃え(本の背を揃えて本棚に収めること)の作業はもくもくと。
わたしは、本を読むことも好きだけれど、たぶん本という物質自体、本がある空間が好きなのだ。

ページをパラパラめくりながら、この本を気に入ってくれるお客さんはどんな人だろう。このページを見せたいんだよな。としばし妄想する。


うん、あの本とこの本を並べたら、見た目も内容もリンクしてなんだかいい感じ。

アパレル販売をしていたアルバイト時代から、コーディネートを組むのが大好きだった。バランスを見ながら、お店の世界観を構築していく。

今度、もっとリラックスした雰囲気にしたいから椅子を導入しようかな。
棚の圧迫感を減らしたいから、ディスプレイを増やそうかな。

お客さんがいないときは、そんなことばかり考えている。

19:00 閉店

看板をしまい、入り口のプレートをひっくり返して「CLOSE」に。
お香はそのまま、火が消えるのを待つ。

今日の売り上げや動向を一通り確認し、お店を閉めたら、昼間連絡をいただいていた美容院に本を届けにいく。

愛車はスズキのジムニー。
車を買うなら、無骨な車に乗りたい。ずっと夢だった。
究極を考えるなら、軽トラが良かったのだが……用途を考えるとね。

ペーパードライバーだったわたしがこんなに運転できるようになるとは、世の中わからないね。

美容院で本を渡しにいったら、煮物のおすそわけをいただく。遅い時間なので、ありがたいなあ。

20:00 帰宅

もらった煮物と朝の残り物、わかめとぎばさのお味噌汁で夕ご飯。

ぎばさは、秋田でよく食べられる海藻で、粘り気が特徴。
県外では「アカモク」と呼ばれていて、健康にいいらしい。わたしの大好物のひとつで、お味噌汁によく入れて食べている。

うーん、なんか物足りない。
あ、そういえば、冷蔵庫にみずのお漬物と豆腐があったっけ。
キムチと合わせて、ひややっこも食べよう。

一見、素朴な夕食かもしれないが、食材ひとつひとつがおいしいから、変に手をかけずにそのままが1番。

わたしにとっては最高のごちそうだ。

そのまま、洗い物を片付ける。生ゴミはコンポストへ。
「環境にやさしい生活をしなければ」という使命感は全然ないのだけど、自然とできる限り共存したい、そんなゆるい気持ちで環境にやさしい選択を考えている。


窓を開けて外の風にあたろう。
今日は、波の音が落ち着いていてとても穏やかな日だ。

21:30 お風呂

ざぶんとぬるめのお湯につかる。

田舎に引っ込んでよかったなあ、と思うのは、お風呂タイムだ。
大声で歌っても、誰にも迷惑をかけない……!

ハロプロのMVを見ながら、熱唱し出すと止まらない。が、明日も早いし、そこそこにしておこう。

22:00 お休み前に自由時間

小学生の頃、夏休みの計画表に「自由時間」をたくさん設けていたことを思い出す。

わたしは、どうも自分の好きなようにやりたいことをやる時間がないと、毎日があっという間にモノクロになるらしい。

自分の元気のために、本を読んだり、撮影した写真を編集したり、noteを書いたり。そんな時間が必要みたいだ。何があっても、絶対この時間は死守!!

23:00 就寝

睡眠はガッツリ取らないと、生きる屍状態になりかねない。

23:00にはストレッチを軽くして、布団に入る。
今日もいい日だった。

明日の朝ごはんは、ストックしていたふきをごはんに混ぜてふきご飯にしよう。ふきごはんは、有川浩「植物図鑑」を読んで以来、うちのレシピの大定番だ。

明日をふがふがと考えながら、寝落ちする。

◆◆◆

こんな長いnoteにお付き合いくださった方々、ありがとうございます。

一応お話しておくと、この理想の1日は、5年後のイメージ。

5年後ぐらいには、地元に帰っていたいよね、本屋を立ち上げたい、とざっくり思っていた。

本当にざっくりしたイメージだけだったのが、このnoteを書いてみて、臨場感がプラスされた感覚がある。これは楽しい。

(食べることばかり書いていて、自分に呆れているが……)

興味のある方がいたら、ぜひ試してほしい。


理想の1日を考えてみると、自分がどんな人生を送りたいかがわかってくる。わたしはキラキラした人生というよりは、地に足がついた生活がしたいんだなあ。

あと食べることが好きすぎるな、と再確認。食についてだけ、やたらとこだわってる気がする。料理は苦手だけど、食べることへの情熱は燃え尽きそうにない……。



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