「変わること」は今までを捨てることじゃない
朝、人が行き交うホームで、きゅっと耳に収めたワイヤレスイヤホン。
シャッフル設定にしていたiPhoneから、流れてきた「人生、すなわちパンタレイ」。
ハロー!プロジェクト(以下、ハロプロ)のアイドルグループ、アンジュルムの曲である。ハロプロ全体の中でも、個人的にイチオシのグループだ。
あーなんか沁みる、と思ったら、まさに最近、私の感じていたことそのものだった。タイミング良く流してくれた、私のiPhoneちゃんありがとう。
今までの経験は無駄だったのか?
今、変わりたい、と、強烈に思っている。
人付き合いへの苦手意識、何もかもが中途半端な自分を変えたい。
たとえ、そう思っていなくても、すべてのものはなくなっていくし、変わっていく。10年前の私と今の私がまったくおんなじ人間だろうか。そんなわけない。
それは痛いほどわかっている。変わらないでいるなんて、無理だ。
ただ、気がかりだったのは、「自分が今まで積み続けてきたものは全て無駄だったのか?」「今までの自分を否定してしまうことになるのでは?」ということ。
現に、学生時代に取得した教員免許はまったく使っていない。10代の頃、どっぷり浸かっていた音楽からも今は離れている。
大切な人だと思っていた人は、全然そう思えなくなってしまったし、目の前からいなくなってしまった。
はてさて、今までの経験がつながって、今があるというけれど、本当?
新しい自分になる、それは今までの自分を否定してしまうことになるんじゃないの?
考えて考えて、ショートしそうだった。
そんなときに、耳に入ってきたフレーズ。
パンタレイは「万物は流転する」の意。古代ギリシアの哲学者、ヘラクレイトスの思想に基づく言葉だそう。
積み重ねは無駄なはずがない、彼女たちの言葉にはとても説得力があった。
ココロマイレージ、と聞くと、アンジュルムの前身であるスマイレージを思い出さずにはいられない。
スマイレージからいたメンバーにとっては、改名や体制の変化に戸惑いもあっただろう。今までの積み重ねを一度崩していくのだから。
そんな歴史を乗り越えてきた彼女たちが、無駄なはずがない、と言い切ってくれた。
なんと心強いんだろう。
「変わること」で過去を捨てなくていい
私の場合は、少し極端なのかもしれない。
もっと積極的になりたい、もっとありのままの自分でいたい。
じゃあ、積極的じゃない今の自分は否定しないといけないのか?うまく自己開示できない、今の自分を捨てていくのか?
そんなふうに考えてしまって落ち込んでいたけれど、アンジュルムの「人生、すなわちパンタレイ」を聴いていたら、過去の自分が積み上げてきたものも、今のままならない自分も、全力で肯定しよう。そんな思いが込み上げてきた。
周りから見たら無駄なこともたくさんあったかもしれない。でも、その時々で考えてきたこと、学んだこと、それらは今の自分の血潮となって流れているはずだ。
変わりゆくものと変わらないものを抱えて
2016年にリリースされた、「次々続々」にはこんなフレーズがある。
私たちは、変わりつづけるけど、私が私であることは変わらない。
人間の脳は変化が苦手で、現状維持しようとするらしい。変わりつづけるには勇気がいる。だからといって、自分が積み重ねてきたキャリア、実績、経験……過去も捨てなくてよくて、むしろ私が私であるために必要だ。
過去を捨てなくても、否定しなくてもいい。
私は、今日もこれらのフレーズをお守りに、勇気をもって今日の一歩を踏み出す。
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