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シンプルに生きるとは?台湾に行ってから、ずっと考えていたこと

昨年台北にひとり旅に行って以来、台湾が大好きになりました。食、気候、街の雰囲気、人・・。これまで訪れたどこの国よりも「なんだか、肌に合う」という感覚がありました。初めて来るのに、どこか、懐かしい感覚。都市なのに、街を歩いていてもなぜかとても落ち着く。

こんな感覚になったのはひとり旅をしてきた中で、初めての経験でした。

それまでの海外ひとり旅はどこかしら過酷な面と寂しい面と、時々ひやひやする面、などがつきものでしたが、(それも含めて、たのしんではいたのですが)そういう感情に一切ならなかったのです。

実際に私が見たのは、台湾のうちのほんの一部だったかもしれません。

それでも、どこに行っても「人の暖かさ」や「街の寛容さ」をどことなく、感じたのです。

今まで台湾に住んでいて一度も嫌な気持ちになったことがないの。不親切な人もきっといるのかもしれないけど、私が出会った人は本当にみんないい人だよ

4年間ほど台北に暮らし子育てをしている友人が、そんな風に言っていたから、きっと本当にその通りなのだ思います。

私が台湾に来て感じたことのもう一つに、なんとなく「シンプルに暮らしている」気がしたのです。

これも在台中の友人から聞いたのですが、台北ではアパートやマンションにキッチンがついていないことも普通にあって、朝昼晩が全部外食という人も当たり前なのだといいます。

それだからか、「おうちごはん」のような食事が多くて、ヘルシー。外食が続く旅で、一度も胃もたれをしなかったのは、初めてかもしれません。

それから、どこで食べても、びっくりするぐらいおいしいし、味も薄味でわたし好み。

ひとりで食事している光景も、カップル文化の強い欧米と違って当たり前です。どんなお店も一人でさくっと行けるのが本当にうれしかったのです。


食が美味しいと、この街の人は、食べることを大切にしているのだなあと気がつかされます。

だいたい私は、暮らしが荒れてくるとまず最初に「食」がおろそかになりがちです。

反対に、心や暮らしが整っているときは、比較的きちんとした食事をゆっくりと作って頂けているように感じます。

自分の、その時の台湾旅のnoteにもこんなことを書いていました。 

生きるために働くこと、そして生きるために私たちは毎日食べている。不思議とそんなシンプルで当たり前のことを、思い出させられた。
そして、私は食べることや食卓がとても好きだ。
ひとりで食べてもみんなで食べても、とても大切な時間だと、改めて感じたし、大切な人にもてなす料理であっても、自分のためだの料理であっても丁寧に心を込めて作り、しっかりといただこうと思った。

人間関係も仕事も、全部リセットしたあの時

台湾旅の少しまえ、今からちょうど1年前の私は、消沈気味でした。

というのも、ちょうどその直前に、共同経営を解消し、あらゆる人間関係をリセットしたころだったからです。

ここでは書ききれないような様々なことがありましたが、なによりも「自分自身が何を大事にいきていきたいのか?」がわからなくなった時期でした。

なぜなら、当時は腹の探り合いばかり。共同経営の相方だけでなく、その当時、仕事で関わりそうになった人達とは、「誰がどの利益を持っていくのか」「誰にはこの案件は言わないように」というような駆け引きをしなければいけないシーンがあったのです。空気を読むのが苦手な私には、とんでもないストレスでした。

「誰かを裏切ったり、嘘でごまかすぐらいの根性がないと、経営はうまくいかない」と、ある経営者の方に当時は本気で言われたし、私も本気で思っていたからです。

結局、私にはそういった世界が合いませんでした。誰かを傷つけてまでして成功や金儲けをすることが残念ながら私の辞書というか度量にはなかった。結局、私一人が抜けました。しばらくは、勇気も根性もない自分に、自己嫌悪ばかりしていました。もちろん悔しい気持ちもたっぷりあった。

そんなことがあった後、時間だけはあったので、夫から「せっかくだし、どこかに一人旅でもいけば」と言われました。

そうだ、私は旅が好きだった。
その時、直感的に行きたいな、と思った場所が、台湾でした。

もう、旅の時には多少時間も経っていたので、だいぶ元気にはなっていましたが、台北に行き、そこに暮らす人のこころの豊かさに触れ、おいしい料理や暖かい声をかけてくれる人に会い、ようやく、もう自分は自分の美学と哲学で生きていこうと確信できました。
そして、腹をさぐるような複雑な人間関係も、お金儲けのための気が乗らないビジネスも全部自分には必要ない」と心から感じ納得できたのです。

変わった自分のマインドと、これからのこと

台湾から帰国した後から、また会社員としてはたらきはじめることにしました。そして、その傍らで、また1から自分の個人事業を始めています。

本当は個人事業だけで食べていけるのがベストですが、「心の余裕をもって誠実にやること、一緒にやりたいと思った人とだけで、自分の納得する仕事をすること」という基本を忘れたくないので、のんびりと、リスタートすることにしました。

こんな自分は、もしかすると「成功する人」にはなれないかもしれないし、事業自体がのんびりしすぎているから、事業主失格なのかもしれないけれど、「わたしはそれでもいいや。」と、台湾に行って以来、不思議と思うようになりました。

できれば、あの時台湾の旅で感じたような、「素朴さ」や「暖かさ」を人に伝えられるような仕事を、自分の生業にしたい。と本気で思ってもいます。

あとは身近な家族や友人、そしてなにより自分を第一に大切にできるような暮らしかた。それが私にとって「シンプルに生きること」だと思っています。

「自分にとって大切だったこと」を教えてくれた台湾が、やっぱり本当に大好きです。

実は、台湾料理にもすっかりハマってしまい、自分なりのレシピも少しずつ増えてきたところ。

きっと、すぐ、また行きたいな。

※余談
海外一人旅は、こんなふうにエリアごとに行きたい場所に付箋して、アナログ的に書き込むスタイルが好きです。後で見返しても面白いので(笑)


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