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創作された神功皇后:日本書記は天武・持統朝を正当化

僕は神功皇后は創作された人物だと思います。実在しなかったということです。

日本書記は天武・持統朝や藤原氏の政権を正当化するために、様々な創作をしているというのが僕の説です。正当化の対象は直系である継体・欽明・推古・皇極(斉明)から元明・文武までの天皇も含みます。

特に神功皇后は実によくできた創作です。松村一男さん(和光大学)が詳しく分析しています。松村さんの分析を引用しながら、僕なりの見立てを紹介します。

※トップイラスト:神功皇后三韓征伐(武内桂舟、日本の童画第1巻、1895年=パブリックドメイン)

(最終更新2024/1/24)


神功皇后による正当化

神功皇后を卑弥呼と同一視

まず、どうして神功皇后が創作されたかというと、魏志倭人伝の卑弥呼は神功皇后のことだと見せようとしたからです。松村さんの指摘は以下のとおり、とてもわかりやすく的確です。

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