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デザイン

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自分の書いた記事の中でデザイン関連をまとめています。
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記事一覧

CI・VI・BIとは - ロゴやマークのデザインの話

CIとはCIとはコーポレート・アイデンティティ Corporate Identity の略です。直訳すると「組織の固有性」、簡単に言えば、見れば「アレだ」と認識できるもののことです。ヒトの場合はその外見・顔で「そのヒトだ」と判断できますよね。それと同じように組織をパッと見で判断できるようにするもの、簡単に言うとシンボルマークやロゴタイプの事です(それでけではないですが、後述します)。赤地に黄色の大きな M を見れば、「あぁマクドナルドだ」と判りますよね。そういったものです。

最近制作したロゴ一覧

スキルマーケットのココナラで依頼されて制作したロゴを一気に紹介したいと思います。 デザート&スイーツ店。某有名ホテルにて修行したパティシエが独立するとのこと。都会的でスタイリッシュに、というご要望でした。 こちらはボツ案ですが、結構気に入っています。おいしそうでしょ? * * * イベント人材派遣会社。「人の繋がりと信頼感を第一に」との希望でしたので、派手にせずスタンダードに。 * * * なんと占星術師からのご依頼。妙齢の女性で、名前に入ってる「三」を大事にした

サイン(シグネチャー)風ロゴ制作はじめました

欧米人が署名に用いるサイン(正確にはシグネチャー signature)風のロゴを制作いたします。本物のサインは読めないことも多いですが、本作は可読性を極力保つようにしています。レタリングではなくペンでの一発書きとなりますので、あまり細かい注文には対応できませんが、そのブレも味わいとして楽しんでいただければと思います。 フリーランスの方 小さなカフェや雑貨店を経営してる方 手作りのお菓子やアクセサリーを販売してる方 などなど小規模事業を行っている方々を応援したいと思いま

ヨーロッパの紋章(西洋紋章 Coat of Arms / Heraldry)について

一時期ヨーロッパの紋章、いわゆる西洋紋章(紋章学 heraldry)に興味を持って調べまくったことがあります。以下、得られた知見をちょびっとだけ紹介します。ここですべてを述べるには情報量があまりにも多すぎるので、書籍をあたった方が確実ですが、参考文献についても文末に述べます。 成り立ち鎧兜で身を覆っていると戦場で誰が誰やらさっぱり判らん、ということで盾に識別証として特有の図柄を描いた、というのが始まりです。のちに組織や町などが紋章を持つに至りましたが、基本的に人が持つもので

欧文(英語)の筆記体が絶滅寸前

10年以上前、欧文(アルファベット・ラテン文字)の筆記体がレアになっている、という以下のコラムが話題になったことがあります。 元記事が残っていたことにも驚きですが(笑)、2020年現在、もう学校では教えていないものらしいですね。 今は欧米でも常用してる人は少ないようです。欧米人と付き合いのある方々は解ると思いますが、彼らの書く文字は学校でいうところのブロック体を独自に崩したもので、はっきり言って日本人には判読不能なものが多いです(笑)。私は Doyald Young さん

デザイナーは絵が描ける必要があるのか?[私見]

デザイナーは絵が描ける必要があるのか?ちょいちょい見かけるこのテーマ。 「描けないとダメ」 「いやそんな必要はない」 それぞれの立場でいろんな意見がありますが、宮里個人の意見としては、 絶対に描けないといけません。 正確には、デッサンができないといけません。 です。以下理由を述べます。 「絵が描ける」とはそもそもですが、「絵が描ける」とはどういうことでしょう? たぶん人によって思い描く「絵が描ける」のレベルがちょっと違う気がします。なので、まずその定義をしましょう。

Futura(フーツラ)とナチス

※本記事は2005年に当方のブログで公開していたものを加筆(減筆?)修正して転載したものです。本邦における Futura とナチスに関する奇妙な噂を払拭するきっかけになったことなので、残しておきたいと思います。 Futura という書体に関する奇妙な噂Futura(フーツラ・フツーラ・フツラ・フトゥーラなどなどいろんな表記がある)という有名な書体があります。セリフ(ひげ)のないサンセリフに分類され、幾何学的にデザインされた字形が特徴です。ドイツのパウル・レナー Paul R

タイポグラフィとフォントとレタリング

誤用が多い「タイポグラフィ」という言葉SNSを見てるとロゴやレタリングのデザインを投稿し、「タイポグラフィを作った」とかいう表現が見られます。が、タイポグラフィとは「作れるもの」ではありませんので、これでは意味が通りません。日本では「タイポグラフィ」の意味が広がりすぎているので、以下にちょっと解説させていただきます。 タイポグラフィ typographyタイポグラフィを一言で説明するのは難しいですが、すごくざっくり言うと、 既存のフォントを効果的に組む技法の総称 です

デザイン依頼の成功の秘訣(デザイナーの使い方・頼み方)

私は日々デザイナーとして仕事をさせていただいておりますが、仕事を引き受けたのはいいものの、やりとりがうまく行かずいいものができなかったり、最悪クビになったりした経験から(笑)、「グラフィックデザイナーやWebデザイナーはこう使って欲しい」と思ってることをつらつら書いてみます。ここではデザイナーに限って話をしますが、「何かのプロに仕事を頼む」こと全般に言えることかも知れませんので、多分知っておいて損はないのではないかと思います。 色や形を指示しない一番やってはいけないパターン

【全面改訂】欧文書体好きのための Monotype サブスクリプションのすゝめ

Monotype とは英国に Monotype(モノタイプ)というファウンダリー(フォントメーカー)があります。100年以上の歴史があり、近年、Linotype を始めとする他のファウンダリーを次々買収し、現在欧文書体に関していえば最大手の企業となっています。 この Monotype の書体は、同社が運営する MyFonts で個別に購入可能ですが、それとは別に、同社がライセンスを持つフォント15万種以上(※ウェイト違いをカウントに含む)が利用可能になるサブスクリプション

欧文書体の同定方法(英語フォントの特定方法・探し方)

ロゴや広告などを見て、「あ、この書体好きだけど何ていうんだろう?」と思ったことは誰しもあるでしょう。そんな時にどうやって探すか、いくつか方法をお教えしたいと思います。 同定(どうてい)とは〇〇が「〇〇である」と見分ける・識別することです。例えばある書体を見て「これは Helvetica だね」と確認して確定する作業のことをいいます。生物学ではお馴染みの言葉ですが、一般にはあまり使わないかもしれません。特に「童貞」と音が同じなので勘違いさせるかと思います(笑)。 英語では