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ドラマ『いちばんすきな花』終わりの始まり〜実は峰子推し〜

 だいすきなドラマが終わった。小さなモヤモヤも残らず答えを探してくれてスッキリした。平凡な日常に新しい風が吹いて温かい気持ちになれた。"みんな"と同じようになれなくても、大切なだれかが一人でもいてくれることが幸せ。藤井風さんがねそべり配信でカバーしてくれてから毎日聴いているOfficial髭男dism『日常』の歌詞「変わりないか元気か あなたは今日も気にかける 良い日でも悪い日でもそれも同じみたいだ」を思い出す。


 個人的に意外だったのは、赤田夫婦がうまくいきそうなところ(笑)。お互いが価値観の違いを受け入れられず、夫婦関係に亀裂が入るのではと思っていた。赤田鼓太郎の親友、潮ゆくえが女性だと知った妻の峰子は、ゆくえを結婚式に呼ぶことも、ゆくえと二人でカラオケに行くことも拒否。でも、私も峰子のこの判断を非難はできないなと思っていた。峰子の立場ならやっぱりあまりいい気はしない。しかし、その理由が私とは少し違っていた。峰子自身にも結婚前男友達がいたから鼓太郎の気持ちを理解した上で、夫婦では埋められない大切な友人という関係を自分以外の女性と続けるということに、頭では理解できても心がついていかないということだった。そんな自分が自分でも嫌になるとも。このシーンを観た時、峰子の考えにとても共感した。


 最終回でも、引き出しを開けて新しいゴミ袋の探す峰子に、鼓太郎が「ゴミ袋はここ」とゴミ箱の中から出すシーンが印象的だった。「こたくん、ゴミ箱の中にゴミ袋収納するんだ。分かった。赤田家はこの方法で」とすんなり受け入れる峰子。そのことに「ありがとう」と素直にお礼を言う鼓太郎。峰子は何でも自分の意見を通す人ではなく、いいと思ったこと、納得できることなどについてはとても柔軟に゙受け入れられる人なんだと分かる。餃子のタレも鼓太郎はお酢のみ、峰子はラー油たっぷり、でもお互いこっちの方がいいよなんて言わず、相手の嗜好を受け入れている。そして二人ともとっても幸せそう。ここで「赤田女を見る目ないなぁ」なんて思ってた自分にダメ出しした。せっかく自分が作った餃子にビチャビチャお酢をつけまくって夫が食べても全く動じない峰子を見習いたい。

※2023/12/25 追記 一つ驚いたことを書き忘れてました。峰子が家の中ではノーメイクだったということ。私もそうだけど、テレビでノーメイクのまま演技する女優さんはほぼ見ない。大体は寝るときでさえもバッチリメイクしていて少し違和感を感じていた。田辺桃子さんのプロ意識に脱帽。…って気づけば峰子推しになっていた私。田辺桃子さん、今後も陰ながら見守らせていただきます。


 他人と一緒に生活すると価値観の違いが一気に露呈する。話し合ったり譲り合ったり説得しあったりすることが必要だ。言わなくても分かるなんてことはない。ちっさなことだからいっかと飲み込んでしまうと、ひとつひとつはちっさなことでもたまりたまって消化できなくなる。長く一緒にいたいと思う人にこそ、ちゃんと伝えるべきことは伝えないといけないな、伝えるだけじゃなく相手の話もちゃんと聞かないといけないなと教えてもらった。ちっさなことから変えていこうとも思えた。それから、答えを一つに絞らなくてもいいこともあるということも再確認できた。「どっちでもいいんじゃない?」「人それぞれじゃない?」ということで意見を戦わせたり、自分の正当性を主張したりして心を疲弊させることはない。分かってほしい人に分かってもらえればいい。


 登場人物みんな何かをしんどいと思っていて、みんな何かにモヤモヤしていた。でも、その気持ちを話せるだれかに出会えて、そのしんどさを手放す勇気をもらった。他の人にとってはちっさなことでも、本人にとってはおっきな一歩を踏み出した。桜の咲く季節を迎え、それぞれが清々しいスタートを切って終わった。終わりの始まりだった。きっとこれからもしんどいと思うことはあるだろう。そしたらまた話を聞いてもらおう。一人では見つけられない答えも二人なら、四人ならきっと見つけられる。


 そして、五人目の主人公、藤井風さんが主題歌『花』を弾き語りをしてくれて、みんなのこれからに花を添えてくれたことが本当に嬉しかった。ドラマの邪魔をしないよう優しく寄り添ってくれて、大好きなイントロはそのままに、本家ともバラードバージョンとも少し違う、二つのいいとこどりのようなアレンジが最高だった。アンミカさんが「白は200色ある」と言っていたが、オフホワイトの柔らかな素材の衣装、ふんわりした少し長めの黒髪、きれいに剃られたヒゲなしの風くん、いつものピアノ…オレンジのガーベラに優しく寄り添うかすみ草のように、登場人物のみんなだけでなく視聴者みんなを包みこんでくれた。「みどり学習塾」になっていたお家は「椿ハウス」に戻っていて、撮影は最終回当日、FNS歌謡祭などを手がける音楽チームが行っていたそうで、ほんの数分のために多くの人たちがプロの手腕を発揮されて実現したシーン。しんどいときに思い出そう。そんな気持ちにさせてもらった。ありがとうございます。


fujiikaze Instagram storiesより


 最後に、風くんに一言。「またおいで」


※追記 松下洸平さんのInstagramに藤井風さんが登場。椿さんも風さんも「歌う人になりたかった」同士、なんて素敵な交流。私たちにとっては素敵なクリスマスプレゼント。シェアありがとうございます🙏

 

fujiikaze Instagram storiesより

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