SmartHRのアクセシビリティテスター~よく聞かれるロービジョン(弱視)の話(便利なアプリ)~

よく聞かれるロービジョン(弱視)の話(便利なアプリ)

SmartHRのプログレッシブデザイングループでアクセシビリティテスターをしている柳瀬です。
私は日常生活を送るうえでスマホアプリやiphone、ipadのアクセシビリティ機能を多く使っています。私がロービジョンになってから関わってきた人達に勧められたものや、自分で調べて使ってみたりして選別したりしたものがあります。

今回はロービジョンの私にとって使ってみて便利なアプリを紹介しますが、あくまで私の残存視力にとってベストだと思っているので人によっては合わないかもしれません。しかし、ロービジョンになったばかりの時にとても不便な思いをしていた私にとっては、とても助かったので、共有できればいいなと考えました。

今回は下記の3つのアプリについて個人的な良し悪しを書いていきます。

  1. PCM録音

  2. Uni-Voice

  3. Seeing AI

1.PCM録音

  • 簡単な説明
    PCM録音は簡単操作、高音質録音が可能なボイスレコーダーのアプリ

  • 良い点
    このアプリはボイスメモを取るときに使用しています。使用は基本的に無料で操作方法もシンプルです。
    画面中央に録音時間などが表示されその下に録音と停止のボタンがあります。ボタンも私の目でも確認できるほど大きく、停止は黒色、録音は赤色とわかりやすいです。
    録音したものは勝手に保存されて自分で消さない限り消えないので、誤って消してしまうような間違いがありません。
    アプリによっては録音して保存作業をしないと消えてしまうものもあったので。とてもありがたいです。
    昔はPLEX TALKというものを使っていましたが、いざ使おうとすると充電がなかったりしたことがあるため、どこでも持ち歩いているスマホのアプリに移行しました。

  • 悪い点
    基本的に画面の拡大はできないので、録音した後の作業は私の場合は拡大鏡が必要になります。
    録音と停止ボタン以外は少し押しづらいため、使用するのにすこし慣れが必要になります。
    しかし、ほかの無料で使用できる録音アプリの中では一番音がきれいに録音できると感じ、操作も簡単なため現在も使用しています。

PCM録音

2.Uni-Voice

  • 簡単な説明
    Uni-Voiceとは印刷物にあるUni-Voiceコードと呼ばれるコードをスマホに読み込ませることで記載内容を読み上げてくれるアプリになります。

  • 良い点
    コードを読み込むことで書類に書いてあることを見てもらったり、拡大鏡を使用せずに聞いて知ることが出来るのでとても助かる
    しかも、内容は保存されるので聞き直すこともできる
    他にも耳で聴くWeb」のポータルサイトにある最新ニュースなどを読み上げてくれたりもしてくれる
    また、私は知らなかったのですが現在では年金定期便やマイナンバー通知カード、公共料金や医療領収書など幅広く採用されているらしいです。

  • 悪い点
    ロービジョンの見え方にもよりますが、コードが記載されている場所が分からないため、カメラでうまく読み取ることが出来ない場合がある
    Uni-Voiceを利用できるものが増えてきているとはいえ、まだ普及率が少ないため使いたいときに使えないことがある
    一度取り込んだ内容が保存できることはとても助かりますが、取り込んだ内容が増えてくると整理するのが大変で聞きたいものがすぐに取り出せない時がある
    また紙にUni-Voiceコードを印刷してある場合、印刷がうまくできていないとコードを読みとってくれない場合があります。その場合は同じ内容の別の紙を読みとったり、または諦めて自分で読まなければならないので大変になる

Uni-Voice

Seeing AI

  • 簡単な説明
    視覚障害者向けに作られたiphoneの無料アプリで、カメラに映った書類、風景、人物などを音声で教えてくれる

  • 良い点
    買い物時に拡大鏡を使用しても見えない場合に使いますが、商品名を今までそこまで変な風に読んだことがないのであると便利です。
    書類や説明書なども読んでくれるので、拡大鏡を使用しなくて良いため目が疲れない
    ちょっとした短い文でも読んでくれるので、外出時にはとても活躍する

  • 悪い点
    iphoneのカメラを使うため、部屋の明るさやカメラの向け方によって精度がかなり落ちてしまうことがある
    書類の文章の書き方や表示方法によって読み上げてくれない場合がある
    起動してすぐの時に音量に気を付けないと、コンビニなどで大音量でしゃべりだしてしまうことがある
    人物を教えてくれる機能はカメラを相手に向けるため、外でむやみやたらに使わない方が良いと思う(相手に了解を取って使うのが無難)

Seeing AI

以上になります。

まとめ

今回は私が使って便利だと思っているアプリを紹介をしました。初めにも書きましたが、あくまで私の残存視力で使った感じなので人によっては使い心地が違うし、紹介したアプリの内容は一部の内容しか紹介できていないので他の人だともっと上手に使えると思います。
アプリに限らずですが、ほかの人が便利だと思っていることを知ることが出来るのはとてもいいことだと思います。自分だけで調べたりするのは限界があります。
前回の「よく聞かれるロービジョン(外出)」の時に、信号機の色を判断するアプリ「OKO」の紹介もしましたが、まだまだ便利なアプリが私が知らないだけでたくさんあると思います。

また、アプリによっては使う頻度が減るものもあると思います。私の場合はUni-Voiceは職業訓練校にいた時に資格を取る勉強をするために使っていましたが、今ではあまり使用する機会も減ってしまいました。しかし、少しでも色々なアプリを知っていることが大切だと考えます。
私自身、視覚障害になって関わってきた人たちには色々な便利なことを教えて頂きとても助かっていますし、アプリなしでは生活水準がかなり下がることが目に見えています。これからも自分でアプリを色々さがしながら、周りの方とも情報を共有していきたいです。

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