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離人症からみえる世界


わたしは物心ついたころから離人症だ。

自分が自分じゃないような感じ。あるいは、自分以外にもどこかに自分が散らばって辺りを浸食しているような感じもある。


離人症(りじんしょう、Depersonalization、depersonalisation)とは、自分が自分の心や体から離れていったり、また自分が自身の観察者になるような状態を感じること。その被験者は自分が変化し、世界があいまいになり、現実感を喪失し、その意味合いを失ったと感じる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%A2%E4%BA%BA%E7%97%87


命が脅かされるような極度の危険や、重度のストレスを体験すると、身を守るために自分を抑圧し、現実と切り離した状態にする防衛本能が働くと教えてもらった。

そんな離人症というものは、なかなか貴重な体験らしい。なので、多くの人が見れる場に残しておきたいなと思い、この不思議な世界の端っこをここに残します。

※あくまで個人の体験や感覚なので、離人症の一例として見ていただけたら嬉しいです。




ほぼ常に生きている実感がない状態。ふわふわと漂っている感じ。


夢と現実の境界線を失ったような感じが絶え間なく続いている。このnoteも誰かが勝手に書いてくれている感覚で、自動ロボットになったみたいに勝手に動いたり話したり。

1日の中でも離人感が強まったり弱まったりの変化があって、特に強い時は自分の名前や、今いる場所がわからなくなる時もあるからとても怖い。自分の意思に反した行動をするんじゃないかという不安も常につきまとう。見た目には異常なしで、病院と夫以外にはこのことを話してはいない。

わたしの場合は、土台に自閉症スペクトラムという生まれながらの発達障害があるようで、小さいころから症状が出ていたとのこと。(発達障害はつい最近判明してまだちょっと動揺中)

その土台の上に、強いトラウマとなるような体験をしたり、そもそもストレスを感じやすい体質だったり、持病などがプラスされ年々酷くなっている状態。


この離人感というもの自体は誰でも起こりうる体験らしく、軽いものであれば問題はないと聞いた。自分の経験を振り返ってみても初期の頃は、時々一瞬訪れてくるものの、すぐに今を生きていると実感できるくらい軽く、日常に支障は出ていなかったように記憶している。よくトイレでぼーっとしている時にこの感覚になっていて、むしろこの不思議な感じが心地よかった時もある。


でもいつからだろう。

はじめは現実9:離人1くらいの割合だったのが、5:5になりどんどん逆転していき、気付いたら常に離人状態に陥っていた。毎日鏡でみているはずの自分の顔だけがわからない。どんなに楽しかったはずの思い出も、あれは本当に現実だったのか?とわからなくなるので、何度も何度も形ある写真を確かめて、必死に現実を脳に認識させる。

話していても、意識と離人の狭間でことばや思考が迷子になり、すぐ支離滅裂になる。なので人に会うときは聞く側にまわるのが基本スタイルになっている。とっさの判断が必要な時や、臨機応変に対応しなければならない場面に離人の強弱が出てくるととても厄介で撃沈する。



ここからの完治は難しいと言われている。ほぼ治らないらしい。

あと何年生きるかわからないけど、ずっとコイツと一緒なのか…と思うと気が遠くなる感じもする。

軽症でストレスが原因の場合は、そのストレスを軽減させることで良くなることもあるみたいなので、違和感を感じている人は早いうちに専門の病院で治療してほしいです。


つらいことも多い離人症状だけど、この不思議な感覚を貴重な体験ととらえて、一緒に付き合っていく。

そう腹をくくるにはまだ時間が必要そうだけど、前向きに考えていきたい。



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