介護離職せず会社員でいてよかったこと
親の介護が始まると、「介護離職」というワードが頭をよぎる人が多いのではないでしょうか。
実際に介護と仕事の両立に悩み、介護離職する人は年間10万人を超えています。
私も両親が二人そろって倒れて介護が必要になったとき、「もう会社を辞めるしかないのでは・・・」と考えたこともありました。
でも、介護のプロの力を借りて両親の生活を支える体制を整えることができ、なんとか離職せずにすんでいます。
今日は私が介護離職せず会社員でいてよかったことを3つご紹介します。
1. 逃げ場を持てる
介護と仕事の両立は無理だと考えて介護離職を選ぶ人も多いですが、生活が介護だけになると、逆に追い込まれてしまいます。
いざというときに逃げ場がなくなってしまうからです。
介護がどんなにつらくても、どんなに疲れ果てていても、介護と常に正面から向き合わなければならなくなります。
自分の世界が介護だけになり、介護から逃げられなくなってしまいます。
逃げ場があるのとないのとでは、心の余裕が大きく変わってきます。
だから、何かあったときに自分が逃げ込める場を、できるだけ多く持っておくのをおすすめします。
介護に行き詰まったときは、仕事を逃げ場にする。
逆に仕事に行き詰まったときは、介護を逃げ場にする。
介護も仕事もどちらにも行き詰まったときは、どこか別の場所を逃げ場にする。
逃げ場の選択肢は多いにこしたことはありません。
会社という場を逃げ場の1つとして持っておくことで、心の余裕を持ちましょう。
2. 安定した収入を得ることができる
あたりまえのこととはいえ、やはり安定した収入というのは大きなメリットです。
こういうあたりまえのことって、失ったときにはじめてそのありがたさに気づくんですよね。
安定した収入があれば、少なくとも当面のお金の心配はする必要がありません。
介護をすることになるといろんな心配事が出てくるので、心配や不安は1つでも減らしておきたいですよね。
また、「今は介護に専念すべきときだ。介護が落ち着いたら再就職すればいい」と考えて、介護離職に踏み切る人が多くいらっしゃるようですが、再就職するのって本当厳しいですよ。
私は過去に2回転職しているのですが、30代後半になってから転職活動をしたときは応募できる求人が激減しており、応募してもほとんど書類選考で落とされてしまいました。
今の会社よりも好条件で転職するのは相当厳しいと考えておいた方がいいでしょう。
(もちろんその方の経験やスキルによりますが)
3. 親と一定の距離を保てる
仮に介護離職をしていたとしたら、本当に1日中つきっきりで親の介護をすることになっていたかもしれません。
親の近くでずっと介護をするとなると、
▶ 相当なストレスがかかる
▶ 介護が嫌になる
▶ 親につらくあたってしまう
▶ 介護がうまくいかなくなる
という負の連鎖が起こるのは容易に想像できるのではないでしょうか。
私も介護が始まったばかりの頃は、できるだけ親の近くにいて自分で介護をしようとがんばっていました。
最初の数日はそれでうまくいっていました。
親も感謝してくれたし、自分も親の役に立てている実感がありました。
でも、長くは続きませんでした。
だんだんストレスがたまり、少しずつ介護が嫌になってきました。
親との関係も悪くなり、やがて介護もうまくいかなくなりました。
やはり大切なのは「親と距離をとること」です。
会社での仕事は今まで通りに続け、親との距離をとることが、介護をうまくやっていくコツだと思います。
おわりに
今日は「私が介護離職をしなくてよかったこと」として、3つご紹介しました。
逃げ場を持てる
安定した収入を得ることができる
親と一定の距離を保てる
介護離職をせずに仕事を続けることは、あなたのためでもあるし、ご両親のためでもあります。
これまでどおり仕事を続けて、心の余裕と経済的な余裕を持ちながらでないと介護がうまくいかなくなってしまいます。
介護と仕事の両立は難しい問題ですが、なんとか自分なりにバランスをとりながらやっていきたいですね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?