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自分みたいに育って欲しくない!ネガティブ原動力の子育て

今回「100人のフツウの子育て」インタビューに
ご協力いただいたのは、あいちゃん。
大手企業に勤めるワーママです。
ご家族は自営業のご主人と、7歳の長女Sちゃん、
5歳の次女Hちゃんの4人家族。
まずは、どんなお子さん達なのか聴いてみました。

あいちゃんが子ども達のことを話すとき、
本当に面白そうに、
満面の笑顔でお話してくれます。
「Sってな、ホント面白い子なんやねんけど~」
物作りが好きで、何時間でも
没頭して工作をしたりする。
男の子に生まれたかった~!といって、
銃や剣のおもちゃを選ぶ。
みんなが校庭で遊んでいても、
寒くて外に行きたくない時は、
平気で1人本を読んでたりする。
(ここまで聴いて、ウチの娘かと思った。笑)
一方で、ママが困っていると進んで手伝ってくれたり、
保育園で植物の種を植えたときには、
言われてもいないのに、じょうろに水を汲んで
持ってくるような段取り上手な一面もあるとか。

自由な保育園から小学校に上がったときは
ジッとしているのがつまらなくて
「学校つらいわ~」とぼやいていて、
ちっともキチンと座らないし、
隣の男の子から座り方を注意されたり、
宿題や連絡帳も「ちゃんと」しなかったそう。

そんなとき、あいちゃん、
ザワザワしなかったの?と聴いてみました。
やっぱりザワザワしたそうです。
口出したくなっちゃう。
自分が子どもの頃は
宿題や連絡帳など、忘れ物がないように
お母さんが気を配ってくれて、
先生や誰かに怒られることはなかったから。

私もそうだけど、過保護に育った人は
過保護に育てるしか
子育ての方法を知らないもんだよね。
子どもが困らないように手を出し、
口を出したくなっちゃうものです。

でも、あいちゃんはそうしなかった。
コーチングや子育て講座で学んだことも
きっかけになったけど、何よりも
「自分みたいに育って欲しくない!」という
ネガティブな原動力が大きく働いたから。
口を出したくなるのをグッと奥歯を食いしばり
我慢した。(奥歯折れる勢いで)
思わず手を出したくなるときも耐えた。
パパが大らかな育ち方をしていたのも助けとなり、
小学校一年生のSちゃんは、失敗と発見を重ねながら
2年生の今、自分で宿題をして、自分で準備をして
ママがノーチェックでも十分困らずに
学校生活を送っている。
忘れ物など失敗をしても、先生に怒られても
ちゃんとリカバリーができる頼もしい子に
育っているそうです。

このお話を聴いて、「ネガティブな経験も
まんざら悪いことでもないなぁ」
って思いました。
過保護に育って、怒られることや失敗が怖くて
生きづらさを感じていたあいちゃん。
我が子は自由に強く育って欲しい!と
強く願ったからこそ、奥歯を折りながらも
過保護を手放せたんだね。
そんなあいちゃんこそ強いなぁ、って思います。

えっ!次女の姿が本来の私?

次女のHちゃんは、
また違った気質を持った子です。
あいちゃん曰く「要領の良い暴君」
と、言いながらも面白そうに
愛しそうに笑ってる。

自由で、やりたいことをやり、
大きな声でずっとおしゃべりをしたり
歌ったり、いつもごきげん。
甘えん坊で、ママがスマホを見ていると
「そっちむかないで、H見て~~♪」
と自作のメロディーで訴えてくる。
(かわいすぎやろ!!!)
で、思わずギュッとしちゃうんだって。
お姉ちゃんはサッとお手伝いをしてくれるけど
Hちゃんはお手伝いから逃げることもしばしば。
怒られそうなときはいち早く察知して
サッとかわす賢さも持ち合わせているとか。

こんな風にHちゃんの話をした後に、ふと
あいちゃんが「Hと私は似てる」と口にしました。
それは私にとって、とても意外な言葉でした。
なぜなら、あいちゃんの今までのお話からは
どちらかというと
「~~しなければならない」とか
「きちんと、完璧に」任務を遂行するような
責任感が強く、真面目なイメージだったから。

でも、よく考えてみると、あいちゃんはよく
「自由に」「好きなことをやる」っていう
ワードを頻繁に口にするよなぁ・・・
あいちゃんの本当の姿はもしかして
Hちゃんみたいなのかな?
そんな私の感じたことを
あいちゃんに伝えてみました。

あいちゃん、しばしジッと考えて。
「そうかも」と、ご自分の子どもの頃を
振り返って話してくれました。
自分も目立ちたがり屋で、おしゃべりで、
怒られそうなときはサッと逃げて、
好きなことはやって、嫌なことはしない。
自由でのびのびと解放されてゴキゲン!
Hちゃんの中に、あいちゃんの本来の姿が
見えた瞬間でした。
「なんかセルフイメージ変わるなぁ」と
ニコニコのあいちゃんでした。

2人の子があいちゃんにくれたプレゼント

インタビューの最後に、7年間子育てをしてきて、
自分自身、変わったことについて尋ねました。
「めーっちゃある!!」と即答のあいちゃん。

子どもが生まれていなかったら、
働き方に疑問も持たず、嫌な人間関係も耐えて、
苦しみながら仕事を続けて、ゆるやかに死んでた。
(言い方!!爆笑)

長女Sが生まれてくれたことで、
働き方をゆるやかにできて、
次女Hが生まれたときは、
姉と同時に産休を取ったことで
姉妹の絆が深まった。とのこと。
子育て=働き方改革、生き方改革か~!

あいちゃんは、
子育てで変わったと言うより、
子どもの存在そのもので変わった、
と話してくれました。
本当の自分を思い出せた。
自分軸を思い出せた。
という言葉を呟くように、
かみしめるように言います。
どんな子育てをするか、ではなく
子どもの存在やあり方から
気づくことがたくさんあったんだね。

そんなあいちゃんも、
子どもが生まれてから3歳くらいまで、
「あんた達ばかり自由でズルイ。
私はいろんなことを我慢してきたのに」
という思いが強くて苦しかったんだそう。
でも、この苦しみから解放してくれたのも
子どもたちだったのね。
子どもたちが好きなことをする姿を見て
私も好きに生きていいんだ、と気づけた。
この言葉も何度も言ってました。

最後にあいちゃんが子育てを振り返って、
しっくりくる、と選んだ言葉は
2人のお子さんおかげで
「本来の自分を取り戻せた」でした。

子どもが自分を救いに来た、でもなく。
子どもに育ててもらった、でもなく。
本来の自分を取り戻せた。
子どもからもらったプレゼントを
こんな風に言語化できるっていいね~!

さいごに

あいちゃんのフツウの子育てエピソードを
聴かせてもらって感じたこと。
あいちゃんが「子育てという体験」で
何かが変わったとか、成長したのではなく、
「子どもの存在そのもので」
自身が変わった、というところが
あいちゃんの子育てなんですね。
あいちゃん自身が子どもたちのあり方から
気づき、「本来の自分を取り戻す」お話で、
子育ての大きな意義を知ることができました。

それともう一つ。
今回、こんな子育てをしたから、
こんな子になりました、っていう話は
ほとんどなかったんです。笑
それは裏返して見ると、
正真正銘、子どもたちのありのままを大事に
子育てしているってことなんだよなぁ。
そして、あいちゃん自身もありのままを
生きようとしている。
これもまた、大きな発見でした。

明るい笑顔で、一つ一つの言葉を
考えながら話してくれたあいちゃん。
過保護子育ての連鎖を断ち切り、
自身も家族も幸せに生きるための働き方を
模索し、自分も家族ものびのびと
好きなことができる環境を整えている、
強くて賢い素敵な方でした。
あいちゃん、ご協力ありがとうございました!!





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