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196 夏の音楽を聴いた日

明け方に強く降った雨は、涼しい朝を連れて来てくれました。
ベランダの植物は艶が増して、機嫌よく歌っているみたい。

今月やらなければならない仕事はまだまだ残っていましたが、気分転換も大切。
みずみずしい空気を存分に楽しみたくて縮景園に行ってきました。

紫陽花も菖蒲も終わって緑一色の縮景園は、人がほとんどいません。
マスクを外して思いっきり深呼吸すると、池の水や夏色の木々を渡ってきた風が身体中に染み渡り、空気にも滋養があることを体感しました。

屋外なので当然エアコンはありませんが、木々や植物、水のおかげで暑さの中にも心地よさがありました。

じわっと汗をかくような気温でしたが、自然のやさしい涼しさがすっと身体を包んでくれて「そうそう、夏ってこうよね。汗をかくのって気持ちのいいことよね」と思えました。

四阿でひと休み。のんびり目を閉じていると、さまざまな音が聞こえてきます。

風の音(一秒ごとに変わる音に一瞬でも同じ時はないと気付かされます)、水の音(亀や鯉が移動している音です)、だれかの足音(縮景園のお世話をしているおじさんかしら)…。

普段であれば気が付かないような音に、耳を傾ければ常に動き続けている世界の鮮やかさを感じられます。

生きている限り聞こえてくる音楽。
考える前に感じる音楽。
それは雨のようで、風のようで、ひかりのようで。
日常生活の中では小さくなっていたボリュームが、ぐんと上がったようなうれしい時間でした。

木陰を求めて歩いていると、縮景園の隅の方で桔梗が咲いていました。薄い青紫の凛とした桔梗。
桔梗たちもみずみずしく花開いて、やっぱり歌っているみたい。
これも、ちょっとしたご褒美でした。

目から肌から、そして耳からリフレッシュできた休日。
今回は、そんな日に描いたイラストです。

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