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人生もビジネスも「組み合わせの妙」でうまくいく

人生もビジネスも「組み合わせの妙でうまくいく」。これは私が新しい分野を学ぼうとする際に唱える魔法の言葉です。

数年前、小林 雅一さんという方の書かれた『AIの衝撃、人工知能は人間の敵か』という本を読みました。この本の234ページ~235ページに、以下のような文章が記されていたのが印象的でした。

一体、創造性とは何なのでしょうか?マッキントッシュやアイフォーンを始めとする、画期的製品を次々と世に送り出し、2011年に他界したスティーブ・ジョブス氏は、かつて、米ワイアード誌によるインタビューの中で、「創造性というのは物事を結びつけること(コネクション)にすぎない」と述べ、その真意を次のように説明しています。「クリエイティブ担当者に、これ(筆者注・創造的作品)はどうやったのかと訊けば、彼らは少々罪悪感にとらわれる。実際には何もしていないからだ。彼らはただ見ただけだ。見ているうちに彼らにははっきりする。過去の経験をつなぎ合わせ、新しいものを統合することができるからだ。それが可能なのは、彼らがほかの人間よりも多くの経験をしているから、あるいはほかの人間より、自分の経験についてよく考えているからだ」(『スティーブ・ジョブズの流儀』リーアンダー・ケイニー、ランダムハウス講談社より)
これとほぼ同じことを、著名なSF作家のアイザック・アシモフも述べています。自身が生化学者でもあったアシモフは、1959年に記したエッセイの中で創造性について、次のような考えを述べています。「創造性とは、一見異なる領域に属するとみられる複数の事柄を、一つに結び付ける能力を持った人から生まれる」


また、有名な『アイデアのつくり方』という本の中にも「アイディアは既存の要素の組み合わせ以外の何ものでもない」と記されていますね。

あるいは、私(鮒谷)の愛読書に、ドラッカー著作のほとんど全ての翻訳を手がけられた上田惇生先生の『ドラッカー入門─万人のための帝王学を求めて』という本があるのですが、この中には、

「守備範囲の広さがドラッカーの特徴。カバーする領域は、社会、政治、行政、経済、統計、経営、国際関係、アメリカ、ヨーロッパ、日本、宗教、歴史、哲学、倫理、文学、技術、美術、教育、自己実現に及ぶ。何しろニ、三年にひとつ新しい領域を徹底的に勉強するという習慣を七十年以上続けていた。そしてそれら異分野のものが出会い、衝突し、合体し、融合し、爆発していたのが、ドラッカーの頭のなかだった。

という言葉が記されています。

新しいものを生み出そうと思ったら、ウンウン唸るよりもまず先に、さまざまな分野に興味・関心を示し、貪欲に学び続けること、なのでしょう。


もちろん、異なる分野の学習を行ったからといって、新たなものを生み出せる保証はどこにもありませんが、新しいものを生み出すためには広く分野を超えた知識や情報を渉猟し、さらには経験を重ねる必要があるのではないでしょうか。

それらを組み合わせようとする営みのほとんど全ては「モノにならない(徒労に終わる)」はずですが、うまくパズルが解けて、(2つ、あるいは3つ以上の)異なる分野、情報、知識を組み合わせ、新しい価値を生み出すことができれば、それで全てが報われます。

以上のように考えてきたので、私(鮒谷)も(外からはどのように見えているかは分かりませんが)自分なりに明確に意識して「異なる分野の、知識や情報、学びや経験からの転用」を心がけてきたつもりです。


ここで話は大きく変わりますが、今の時代、それぞれの分野は細分化される一方であり、昔は「哲学、文学、法学、医学、、」といったように「○学」の○は一文字で済んだのが、徐々に「経済学、心理学、社会学、教育学、人類学、言語学、、、」といったように「○○学」の○の字が二文字となりました。

さらには「国際経済学、認知心理学、社会言語学、教育人間学、文化人類学、神経言語学、、、」といった四文字学問百家争鳴、の様相を呈し(?)てくるようになりました。これぞまさに学問同士が掛け合わされての、新しい学際分野の登場、ということになるのでしょう。

ついには、これまでの漢字系学部(?)で表せる範囲・範疇を超えてしまったからなのか「グローバル・コミュニケーション学部、ヒューマンケア学部、ライフデザイン学部」等の、新しいコンセプト、あるいは見せ方、というのか、まったく新しい分野を切り開かんとする、たくさんの「カタカナ学部、学科」まで現れるようになりました。

<大学のカタカナ名学部>
https://tictac.gakkou.net/20170509/


こうして学部数が増大してきた理由はひとえに「学問分野の細分化&組み合わせ」によるものです。人間の知的好奇心は、とめどないので、これからもますます細分化、からの多様な組み合わせ、は進んでいくのでしょう。

とするならば(各分野の知識を網羅的に知るのはもはや無理としても)出来る限りたくさんの世界における、最低限の文脈&主要なキーワード理解、を心がければ、むしろ、その分だけ「新しいものを創造できる可能性が増す」のではないかと思われますし、公的な学問として認知されることはないにせよ、自分独自の「○○学」を追求するのも、また人生を豊かにする一つの考え方なのではないかとも思うのです。


自分の専門分野と関係ないから、学ばないし、首も突っ込まない、ではなく、自分の専門分野と関係ないからこそ、学ぶし、首も突っ込む、といった姿勢が、今の時代におけるビジネスパーソンのあり方であり、機嫌よく、楽しく毎日を過ごす秘訣、なのかもしれません。

「圧倒的に大量の、組み合わせる素材」がなければ、どれだけウンウン唸って考え込んでみたところで、そもそも、組み合わせようがなく、新しいものを創造することもできません。

人生もビジネスも「組み合わせの妙」でうまくいく。

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