序 10年ぶりに小林多喜二の『蟹工船』を読んだ。本書に触れるのは人生で3回目だが、その度に印象が大きく変わる。 ・1回目（高校生）：日本史の得点源として ・2回目（社会人に成り立て）：古典として そして、3回目だが、虐げられる労働者の中に社会の荒波で膝を着きそうな自身、すなわちプロレタリアとしての自分を見出すに至った。 これに拍車をかけたのが、本書の著者である小林多喜二（享年29歳）の惨たらしい最期である。 ここでは、その凄惨たる内容は割愛するが、wikipedia
「僕らはかつて何者にもなれたー。子どもの想像力が心の臓をド抉る」 皆さんは小学生のころ、どのような絵を描いただろうか。 描いたというより、「画用紙をクレヨンでぶん殴った」という表現が適切ではないか。 無我夢中で、ソレに似せようとの意識も無く、他人から褒められたいワケでも無く、 真っ白なキャンバスに、ただただ己の存在をブッ叩きつけた―。 僕だけの空、僕だけの海。 大人となってからは、もう見ることのできない地平線。 その世界の片鱗が、福山市の動物園に落ちていた。 気づいた方
はじめに、動物園は来園者に"シュート"を仕掛けてきます。 "シュート"とは「殺し」であり、「ノールールのセメントマッチ」と同義です。 園側は全方面から来園者を「殺し」にきます。 「動物園HP」「入場チケット」「園内POP」「イートイン」等々… これら園内に存在する全てが、来園者に容赦無く襲い掛かります。 一方、私たち来園者もやられ放題というワケには行きません。 園側による怒涛の攻めを、全て自身で咀嚼した上で、攻略する必要があります。 単に、攻めといっても、ジャブから、老獪
