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【仕事】西遊記に登場する「やべぇ」果物

こんにちは、イラストレーターのfunenoです。

株式会社愛言社様の語学雑誌『聴く中国語』にて西遊記扉絵を担当しているのですが、ところで、西遊記にいわゆる「やべぇ」果物が登場するシーンをご存じでしょうか。

人参果という、生後3日の子供のルックスをした果物です。

鎮元子という仙人が育てている。今回は、それを盗み食う三蔵一行の話。そのイラストがこちら↓


株式会社愛言社様の語学雑誌『聴く中国語』4月号

人参果は、芭蕉みたいな葉を持つ大樹に、嬰児にそっくりな実がつくという奇怪な植物。

3千年に一度、花が咲き、次の3千年で実り、その次の3千年で熟す。においをかぐだけで360年生きられ食べたら4万7千年も寿命が延びるらしい。西王母の蟠桃が地上に植わってる感じかもしれない。

蟠桃の記事はこちら↓

人参果は、見る人が見れば、これはすごいものだな、ってわかる宝の果物らしいのですが、悟っていない三蔵は、見た目が受け付けないと、全力で拒否

一方、悟空、八戒、悟浄たちは、そんな貴重なものなら是非食べてみたいと盗み食いを敢行。それを鎮元子の弟子にとがめられ、逆ギレした悟空が人参果の木を倒してしまう。

盗み食いしておいてこのご乱行ですよ。この古典では、逆ギレする人の心理? が学べる。

案の定、持ち主の鎮元子が激おこして、すごい術をつかって三蔵一行をとらえてお仕置きをするんですけど、結局、観音(画面右下水を噴き出す水差しを持っている人)の助力で、鎮元子と悟空は兄弟の契りを結ぶ、という顛末。

なぜ自分の大事な宝の木を壊したクラッシャー悟空と、この鎮元子が兄弟の契りを結ぶのか、読んでいてちょっと解せないんですけど、いいとか悪いとかではなくて、そういう時代だったんだろうなと想像。

観音って、たぶん西遊記におけるドラえもんで、勇者ヨシヒコにおける「仏」っぽいポジションのようです。悟空あたりが泣きつくと大体助けてくれる。ただし驚くほど口が悪い(岩波版)。

ところで、人参果は、一説に、高麗ニンジンがモチーフらしいという噂。草還丹と呼ばれることもあるとか。

・そんなお宝フルーツ盗み食い&逆ギレ悟空の回の西遊記が載っている『聴く中国語』2024/4号は、こちら。

電書のほうが安いのでそっちを貼り付けておきます。今月号は古人の猫愛について書かれているページもあるらしいよ。




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