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ポンコツだけど自分で舵はとりたい

僕は洞察力に満ち、賢く、計画的で、課題への取り組み姿勢も真面目である。
そう、やる気がありさえすれば。
すべての賛辞は「やっていない」という理由から手に入れていない。やる気にさえさせてくれたらすべて手に入っていたのに。そうさせてくれない社会のシステムが悪い。オトナになったら自然とやる気が湧いて出ると思っていたら、国会中に寝ている政治家も普通にいる位なんだから、やっぱりシステムが悪いに決まっている。僕のせいじゃない。

「立ち止まった時に努力の報いを得ることができる。」ってゲーテが言ったっけ?天気の記入と朝顔の成長記録が7月28日で止まっている僕はどうしたらいいのだ。なんの報いも得られないどころか、親と先生の両方から叱責される。それが努力の報いというものなのだとすれば、世の中は理不尽すぎる。

そんな夏休みが嫌いだ。友達と会えないからとか、そんな子どもらしい理由からではない。休み中の計画書を提出するところから、1学期中に学校にためこんだ物品を引き上げなくてはいけないところから、通信簿を受け取るところからすべてが面倒だ。バカンスもないのになんで夏休みって長いんだろう。農作物の収穫の手伝いもないし、花火は休みじゃなくてもできるし、スイカだって夏ならいつでも食える。

「夏休みだからって」が枕詞につくので、祭りも遠方にも行ってはいけません!などの規制は休み前よりも厳しくなる。朝はラジオ体操に行かなくちゃいけないから、いつも以上に早起きしなくてはならない。お天気だの朝顔だの宿題だの計画的にやりましょうだのと、オトナから一方的に押し付けられる子どもの身にもなってほしい。
そして普段よりも叱られる。川で遊んだからと叱られる。冷たいものを食べすぎだと叱られる。宿題を終わらせていないからと叱られる。どこかに連れて行けとせがんだと叱られる。夏休み中の子どもは周囲のオトナの不機嫌を一身にひきうけなくてはならない。
誰でも暑さで不機嫌になる季節なのに。隣のオジサンなんか飼い犬に手を噛まれていたぞ。

偉い人はそろそろ愚かなことだと気づいて欲しい。
夏休みを経験させることが、計画的に効率よく生きるための教育なのだとしたら、こんな自己啓発本は売れていないはずだ。
「三日坊主がやめられる。」「人生変わる、あなたも朝活名人。」
たぶん4ページ目から読まなくなる。

※個人の感想です。


(195日)

#エッセイ #コント部 #僕なりの幸福論 #毎日note #夏休み #ノープラン人生

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