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移植後、天使のようだった先生

大学病院は、不妊治療の患者も多いのか、普段はわからないけれど、一回目の陰性判定後、次の移植の予約がとれたのは、2カ月後でした。

でも、今度は内膜がうまく育たずに、一度見送りになりました。

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エストラーナテープを増やして、やっと2回目の移植に漕ぎつけるまで、なんだかんだ3カ月くらい経っていました。

2回目の移植はもう、流れがわかっているので、ほんっとうに緊張もありません。ただ、心の中では、これが着床しなかったら、ここでの不妊治療ももうしないのかということを漠然と考えていました。

移植はまだ2回目だけど、それでもなんだか、色んな事がありました。

説明会のこと、色んな先生のことや痛かった数々の事とか、そして忘れられない1回目の判定日・・・

こんなに、体調面だけではなく、不妊治療がスムーズに行かないんだって事を、つくづく思い知りました。楽しい事なんて、ひとつもなかった。

そんな事をひたすら考えていると、移植作業を終えた今日の担当先生が私の顔の方へとやってきました。

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一回目の採卵も移植も、ロボコ先生が担当してくれたけど、私には一切の声かけも何もなく部屋を出て行ったのでした。

そんなものかと思っていたので、この時はなんだろうと思いました。

すると、先生は・・・

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「卵、一番いい位置に置けましたからね。安心してくださいね。」

こんなこと、言ってくれる先生がいるんだと!!いや、ロボコ先生がちょっとクールすぎるだけなのかもだけど。

でも、この真っ暗闇の中で、不安のまま裸足で歩いているような不妊治療で、この節目の大事な時に、こんな風に優しい言葉を一瞬でも先生がかけてくれるだけで、どんなにありがたいか、ふっと張り詰めた気持ちが楽になれるか。

もう、天使みたいな先生でした。

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優しくて、あったかくて、泣きそうになりました。

先生はマスクをしてたし、顔はよくわかんなかったけど、大きな綺麗な目が特徴的で、森星さんにそっくりでした。(それ以来、彼女をテレビで見かけるとついつい見てしまう)

まるで、戦地の最前線での唯一の憩いの場所に辿り着けたかのような、そんな小さいけど、とても大きな出来事でした。

ドラマや映画だったら、このまま妊娠するパターンですよね。こんなことがあったら・・・もう最高の美談ですよね。

でも、そうはいかないのが私。劣等生で運が悪い人間。まだまだここは、富士登山でいえば五合目にすら辿り着けていなかったのです。


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