久しぶりの寄席

林家つる子(36)、三遊亭わん丈(じょう)(41)の昇進披露興行。
20240416 浅草演芸ホール

わん丈は16人抜き、つる子は11人抜きの抜擢真打ち昇進。立ち見が出るほど。披露口上はやっぱりいいなぁ。

口上を述べたさん喬の真打ち披露を81年に見に行ったことを思い出した。
雲助との披露口上で、柳家小さん(先代)が「粗忽長屋」をやってくれて欣喜雀躍しましたよ。あの頃は志ん朝にぞっこん。おっかけみたいに寄席に通っていた。今で言う「推し」でしょうか。

よく行った池袋演芸場は畳敷きの小屋(旧)で、小さなやかんでお茶が提供されてた、そのお茶がうすかった! 噺をきかない客をかならず追い出す立川談志もこの小屋の名物だった。でも、何を演っていたっけか、まるっきり覚えていない。志ん朝は独演会でやる長い噺もいいけど、寄席でさらっとやるネタが最高だった。強情灸、初天神、大工調べの啖呵切り、師匠の真骨頂だ。
寄席通いが、後の小劇場通いのきっかけになったのだ、と今にして思う。落語、漫才、奇術、音曲、大神楽(軽業)などの色物、なんでも楽しめる娯楽の殿堂が寄席だ。

昔話はともかく。
わん丈のネタは「荒茶」。つる子は「ねずみ」。
わん丈は巧者で本格的でありながら、そこらへんのお兄さんっていう親近感も横溢してるひと。講談からの渋いネタだけど短い時間で盛り上げちゃう。新作落語もやるそうでいちどきいてみたい。
つる子の「ねずみ」。思わず泣きそうになってしまった。なんといっても彼女のもっている「フラ」がいい、実に良き。もうなんか、すぐに応援したくなっちゃう。そんな噺家でした。けなげに一所懸命なんですよ。
押し並べて若手もベテランも粒が揃っていて大いに楽しめました。(昔の前座はへったくそだったけどねえ!)いまは大したものです。
この小屋は、志乃多゛の寿司弁(助六)が一択。しっとり稲荷とかんぴょう巻にビールがおつでやす。

#寄席 #林家つる子 #三遊亭わん丈 #浅草演芸ホール #池袋演芸場 (旧)


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