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「日本のプロダクト開発を良くするために」UX戦略を取り入れた新規事業開発

こんにちは!ファンタラクティブPRのannaです。
現在開発中の新規事業「EXTO」の顧問を務めていただいている丸山潤さんに、代表井村が聞き手となってインタビューしました。丸山さんが日本のプロダクト開発について思うことや、丸山さんから見るファンタラクティブについてなどをお話ししていただいています。


丸山さんのプロフィール

丸山 潤(まるやま じゅん)
リクルートホールディングス入社後、インキュベーション部門のUX組織と、グループ企業ニジボックスのデザイン部門を牽引。ニジボックスではPDMを経てデザインファーム事業を創設、事業部長に就任。その後執行役員として新しいUXソリューション開発を推進し、2023年には従業員300人以上に拡大。2023年にニジボックスは退任し、現在インドにフォーカスしたVCのTRTL VenturesはVenture partnerとして、アジアのユニコーン企業の日本進出支援を行うTRTL StudioのCEOとして活動中。


日本のプロダクト開発のために必要だと考えていた

井村: まずは、EXTOに関わることになった時のことについてお話しいただけますか。

丸山: 前から僕もEXTOのようなものは欲しいなと考えていたんです。それで井村さんとご飯に行った時にEXTOの構想を聞いて共感して、一緒にやりたいなと。EXTOは、一つの会社の一事業としてやっていくのはなかなか難しいと思います。でも、"日本のプロダクト開発"という視座に立つと、絶対にやった方がいい。私が出資しているuniiリサーチもそうですが、こうしたサービスが普及することで、日本のリサーチ文化そのものが変わっていくと信じています。

井村: 本当にそうですよね。今丸山さんにもサポートいただき進めているEXTOのUX戦略についてはどう見えていますか?

丸山: EXTOのUX戦略は、初期段階から大きく進化していると感じます。新規事業は泥臭い作業が多くて、まずユーザーのニーズを深掘りすることが非常に重要です。競合サービスが必ず現れる中で、本質的な価値や痒いところに手が届くプロダクトでなければ、ユーザーに長く使ってもらえません。TeslaやAirBnBのような今まであった製品から変化を起こしているプロダクトは、ユーザーにどう使ってもらいたいかを徹底的にリサーチしているからだと思います。

井村: 競合リサーチの重要性は、丸山さんとお話ししているといつも感じさせられます。使った人に積極的に話を聞きにいくことも、いつも丸山さんが言ってくれることですね。

丸山: 使っている人のイシューはすごく大事です。どのサービスも完璧ではないので、何かしら不満や課題はある。僕たちの作っているプロダクトがニーズにハマるかどうか検証するのが大事ですね。

井村: ユーザーの声をどうやって戦略に活かしたら良いのか、悩ましいところがあると思います。良い意見だなと思っても、見る人が見ないとその「声」の価値がわからないことがあるなと。あと誰がその部分を担うのか。

丸山: 聞いた声を正しく戦略に活かすためには、UXデザイナーやリサーチャーが持つ視点が必要です。海外ではUXデザイナーとUIデザイナーとで職種が分かれています。UXリサーチは心理学の延長に近く、UXリサーチャーが心理学の資格を持っていることが多いです。日本では心理学者がUXリサーチャーになるキャリアはあまりないですよね。専門性と職種が合ってないのは日本の課題だなと思います。とはいえ日本のものづくりの構造を変えるのは難しいので、まずはPdMやUIデザイナーがUXリサーチに関する勉強を積極的に行うか、リサーチのモチベーションがある人が積極的に取り組むのが良いでしょう。

UX戦略は何のためにあるのか

井村: UX戦略を作るにはある程度時間がかかりますが、早くプロダクトを作った方が良いのでしょうか。クライアントワークでも常に思うんですが、スピードと質のバランスを取るのが難しいですよね。

丸山: 早く作ることが重要だとされがちですが、結局のところ作り直しになることもよくありますよね。その方がコストもかかり、スピードも落ちてしまいます。ニジボックスでは、「質よりもたくさん作る」という戦略で挑んだことがありますが、結局は利益率の低下やスケールの難しさに直面し、そのプロジェクトは破綻してしまいました。一度作ってしまうと後戻りが難しいですね。

井村: EXTOで成果を出せれば、成功事例としてUX戦略ありきのプロダクト開発の進め方を世に広めることができると思っています。

丸山: そうですね。プロダクト開発におけるUXデザイナーやリサーチャーは戦略を描くことよりも戦術的な仕事に集中しがちです。戦術はユーザビリティテストやデザインのことで、戦略はニーズ調査やリサーチを元に作っていくものです。戦略がごっそり抜けていると、ビジネス側との認識齟齬や理解し合えないことが起こりやすいんです。

井村: 海外ではどうなんでしょうか。

丸山: 海外ではしっかりとリサーチが行われてますよ。プロダクトオーナーが各所飛び回って、顧客と毎日会話していて情報を持っています。UXはみんなで取り組むべきものです。プロダクトオーナーだけが顧客理解を深めるのではなく、UXデザイナーやエンジニアも同じく「何のためにそのプロダクトを作るのか」を理解する必要があります。そしてチームみんなが同じ目線に立つことで、プロダクト開発開発がスムーズになります。

▼丸山さんが以前ニジボックスで登壇されたイベントのレポート

ファンタラクティブの組織はどう見えてる?

井村: プレスリリースではファンタラクティブの組織についてコメントいただいていましたが、改めてどう感じているか聞かせてください。

丸山: ファンタラクティブは今30人くらいの規模ですが、そのくらいの時って安定思考の人はあまり入らず出入りが激しいことが多いですよね。でも最近のファンタラクティブって全然退職者が出ていなくて、安定しているなって。あと若い人が多いじゃないですか。若ければ若いほど自分のキャリアに悩んで辞めがちですが、そういうのもあまりなさそうですよね。なんとなくファンタラクティブが好きな人が多そうな雰囲気を感じています。

井村: 退職率はかつてよりかなり下がりましたね。組織作りで色々取り組んでいるのも見ていただいているかなと思うんですが、どんなところが良さそうなポイントだと思いますか。

丸山: パーパスとかビジョンを共有し合っていて、メンバーたちがしっかりと対話しているのがすごく良いなと思います。100人を超えるような規模になると経営層と現場が直接話すのは難しくなりますが、この規模の段階でそういうコミュニケーションが取れていることは大事なことですね。規模が大きくなっても本音で話せる関係を継続できればと思います。

EXTOの開発に今必要なのはどんな人?

井村: EXTOの開発チームをこれから増強していこうと思っていますが、どんな人がいると良さそうでしょうか。

丸山: 熱量がある人がいいですね。そうでないと新規事業は難しいし、続かないです。日本のプロダクト開発は、海外とは異なる独特の課題を抱えています。日本人の性格や企業文化に根ざした承認文化、ソフトウェア開発に不慣れな点などですね。日本は製造業が発展しているので、基本的に納品したら終わり、という考え方がベースにあるんですが、ソフトウェアは作ってからが大事なんです。
EXTOでは、こういった日本のプロダクト開発における課題を理解し、解決するためのものを考えています。
大企業で開発に携わっている方など、このような課題にぶつかりモヤモヤしている人は多そうですね。自分で体験して課題感を持っている人だと、共感があり熱量も高そうだなと思います。

井村: 確かに、そういった課題を言語化して、「一緒に解決しませんか?」とアピールしていくと良さそうですね。

丸山: そうですね。日本でのソフトウェア開発をよくしていきたい!と熱望している人が合うんじゃないかなと思います。
海外のやり方をそのまま導入しても、日本の文化的背景を無視することになりきっと上手くいきません。「日本流」を作らないと。参考にするのは良いんですけどね。

井村: 日本でのソフトウェア開発をよくしていきたいと熱く思っている方、ぜひ一緒にEXTOを作りましょう!
丸山さん、ありがとうございました。これからもよろしくお願いします!



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