私は東京の暮らしが好きだ。

他での暮らしは考えられない、と思っていた。

旅行は好きだが、その土地での生活は考えられない。田舎暮らしもイイなぁ、なんて思ったこともあるが、現実には有り得ないと分かった上でのただの想像の世界。

東京の暮らし以外考えられなかった。

どこへ行くにも便利。新幹線も飛行機も船もちょっと行けばすぐ乗れて。コンビニもスーパーも歩いてすぐだし、映画もショッピングもグルメも病院も近くにある。

それに私の店も。

彼と付き合いはじめて、二人で生活を共にしようと話しが進んだ時、彼は今住んでいる都心から電車で約30分ちょいの自宅を提案してきた。

え？

だってその家は亡き妻との思い出がつまった家でしょ？彼女と自分のために建てた家でしょ？キッチンも、リビングも、お風呂もトイレも寝室も。あれもこれも彼女と暮らすために用意した家なんでしょ？

専業主婦だった彼女のために、家具もなにもかもあなたが用意したんでしょ？

私はわがままなのでしょうか？

彼との生活をゼロから始めたいの。私と彼とで二人で住む場所を一から探して家具もカーテンも二人で選びたいの。

元妻には新築一戸建てを買ったのに、私には新しい住まいを用意してはくれないの？なんか不公平🥺

あなたと彼女が愛し合った寝室に私と寝るの？あなたと彼女が愛し合ったバスルームを私も使えと？

私のそういった想いも彼に伝えた。住まいに関しては何ヶ月も話し合った。

伴侶が亡くなった場合、女性よりも男性の方が引きずる…というような話もチラホラ聞くが、彼の場合はどうなのだろう。

死んだ人には敵わない。

私は嫉妬していたのだろう。付き合う前と初デートの時までは元妻との話を聞いても受け止められたが、2回目のデートでこう伝えた。申し訳ないが元妻の名前も顔も知りたくないし、彼女がどういう人かを想像してしまう話はもう辛くて聞けない…と。

まだ彼の気持ちは彼女にあるのでは…？

私は彼のことを本気で好きになっていた。

彼はそんな私の気持ちを受け入れてくれたのか、私が傷つく話題は避けてくれている。

それから何度も何度も話し合った。彼の家を売るか、貸しに出して東京で新たに住まいを探す案もよぎった。が、全てを総合して考えてみた結果、再婚して彼の住む家で暮らすという結論で落ち着いた。

これは妥協ぢゃない、譲歩だよ、と私は言った。

彼の家に行くと決めてからも、私は機会あるごとに東京がイイ〜、と言葉にしていた。結婚しても仕事は辞めない。彼と過ごす時間を大切にしたいから、店に出る日数は減らすだろうけど、出勤すれば職業柄深夜まで仕事だし、お酒が入れば酔っ払ってしまう夜もあるだろう。店からタクシーで帰ったら幾らかかるかも分からない💧

そんな、あまりにも東京にこだわる私の気持ちも尊重してくれた彼は、店の近くに小さいマンションを借りる私の提案を受け入れてくれた。

結婚して郊外と東京とでの2拠点生活。その案に私は大満足(๑>◡<๑)

我が家の愛猫達は彼の家で暮らす。彼曰く「猫達に会いたかったら僕の家に帰って来なさい」だそうだ。人質ではなくこれは猫質❓

元妻との寝室をそのまま寝室として使うことは仕方ないとしても、そのベッドと寝具だけはどーしても使えないし、使いたくない😖と彼には伝えていた。

先週、彼と家具屋デートに行った。どういうベッドがあるのか見るだけね〜と、下見するだけのつもりだったのに、試しに横になってみませんか？と店員さんに勧められたらもうダメね。

マットレスの寝心地の良さ✨二人で悩むこと一時間。購入してもらいました😆あこがれのシモンズのベッド✨

きゃーー♪───Ｏ（≧∇≦）Ｏ────♪

新婚ぽい💕

お付き合いをはじめてから1年3ヶ月。最近は元妻の話を私の方から聞くこともある。何より彼を信頼している。

今日、彼の住む最寄駅で初めてデートをした。

車であちこち案内してもらい、彼の家も外から見た。郊外の一戸建てってデカっ😮💦

しかしまだ家の中に入る勇気はない。

少しずつ　少しずつ話し合って。

譲って　譲られて。

家族になるって一歩ずつなんですね。