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今日も何処かで空港泊【スワンナプーム国際空港①】

2017年8月。
大学3年生の私が、おろしたてホヤホヤの赤いバックパックを背負ってヨーロッパを巡る旅のはなし。

のちょっと前のはなし。


ヨーロッパ最初の目的地、フランクフルト国際空港。3週間の旅程なので、予算もキツキツ、費用は極力抑えたいところだ。

そんな訳で6月頃から大学の講義の時間をほぼほぼ格安航空券のリサーチに費やした。といっても、いつもリサーチしているのだが。実に有意義な時間だった。

一般的に日本、とりわけ福岡発で海外に行く場合、ソウル(仁川)、台湾(桃園国際)、上海(浦東)経由で行くのが1番安い。

特に上海経由はズバ抜けている。アメリカの場合だと万単位で安いこともザラだ。
その分遅延リスクなども考慮し、トランジットの時間に余裕を持たせておく。


ただ、今回だけは違った。
出発日の候補が3つ程あったのだが、最初は予想通り上海経由が最安だった。(上海-昆明経由というムチャクチャなものもあった。52時間かかるらしい笑)

出発日を決めかね数日後、再びリサーチ。
すると一日だけバンコク経由が最安値だ。

バンコク経由も上記の空港に比べればそうでもないが安い部類に入る。
ただ数万高いことが多いので結局選ばず終いのことが多い。

運航はタイ国際航空。
言わずと知れたタイの誇るナショナル・フラッグキャリアだ。
航空会社のミシュランとも言うべき、スカイトラックス社のランキングでも上位常連、機内食の評判が高い。

トランジットは19時間。
11時に福岡を出発し、タイ時間13時にバンコク・スワンナプーム国際空港へと到着する。
出発は翌朝8時35分。この時間だと一時出国してバンコク市内を散策できる。


決まりだ。即決だった。


前置きが長くなったが、ようやく出発。
愛想の良いCA。日本人とタイ人が混在する旅客に対し、日本語とタイ語で挨拶を使い分けていた。

サワディーカッ〜🙏
タイ人と判定された私は予め指定しておいた後方窓際の席につく。
機内に入った瞬間からそこはタイだった。
お香のような、独特の心地の良い香りが広がる。

おしぼりが渡される。
緊張で少し汗ばんだ手と顔を拭いた。

どエラいエエ匂い…

このおしぼり、売って欲しい。



日本でも有数の混雑空港である福岡空港。
離陸待ち、ふと外を見ると自衛隊のC3輸送機が鎮座していた。巨大だ。



ようやく離陸。
興奮で前夜眠れなかったせいもあり、早々にビールと機内食を平らげると、深い眠りについた。

ビールはタイのシンハーor Chang を飲みたかったのだが、ハイネケンになった。
多分あったんだろうけど、銘柄指定せずにビールを頼むとこうなる。(戒め)


何時間経っただろうか。着陸体制に入り、車輪を出す音で目が覚めた。見下ろすとバンコクの街並み。雑多な感じが実にアジアらしい。

ゴツンという衝撃と共に逆噴射の音。
翼のフラップが逆立つ。機内モードを解除すると、iPhoneの左上に見慣れない現地キャリアの文字。auからの通知のバイブ音。
この瞬間、「あぁ、海外に来たんだな」と実感する。



スワンナプーム国際空港は、アジアでも有数のハブ空港ということもあって滑走路も広大だ。
なかなかゲートに辿りつかない。

福岡では見ることのできない各国の航空会社、機体に釘付けだった。

エミレーツ航空・A380


ドアの開く音。
CAさんからコップンカー。
ありがとう、タイ航空。

ボーディングブリッジを渡ると、一時入国の為、イミグレへと急いだ。長蛇の列、疲労困憊だ。


微笑みの国へいざ。

続く。



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