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サウルの息子(2015)

ひさびさに映画を観ていました。(朝から同じ作品を連続2回で)

「ゾンダーコマンダー」とは同胞であるユダヤ人の死体処理係のこと。

ガス室における「処理」後、生き残った子供が見つかります。
その子供はドイツ軍の軍医が診察後、主人公サウルの目の前で殺されてしまいます。

殺した子供を医務室へ運び解剖するよう指示する軍医。
そばにいたゾンダーコマンダーの一人が指示に従い、子供の遺体を運ぼうとしたところでサウルが自分が運ぶと強引に遺体を引き取り医務室へ。
医務室へ遺体を運び込んだあと、解剖医へ子供を埋葬させて欲しいと嘆願するのです。


解剖医はそれはできないと断りますが、自分もサウルと同じユダヤ人であることをつげ、5分だけ時間を作ると約束してれます。
ユダヤ教では火葬は死者は復活できないとして禁じられているのだそうです。


サウルは殺されてしまった子供をどうにか正式な弔いをしてあげたいと収容所の中を奔走し続けるのです。


ハンディカメラでの長回し撮影
背景の映像はピンボケしていて主人公サウルの顔、背中からの接写
人としての尊厳、人権は一切ない、地獄の環境
作中、登場する人々の表情には一切笑顔はありません
大変過酷で終始凄惨なシーンが続き、何ら救いもありません

でも、ぜひラストまで観て欲しい


セリフで説明されるような描写は一切なく「映像」そのものがメッセージを語っている作品で、名作です。


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