見出し画像

尻を叩きたいが、本当に叩くべきは…の話。

私は、尻を叩きたくなってしまいます。

あっ、いえ、そういうシュミがあるというわけでも、あるいはそういう性癖があるというわけでもなく・・。

私はせっかちなんでしょうね。

お願いしたことをなかなかやってもらえないと、つい「早くこれをやってくれ!」と、せっついてしまうんですよね。

つまり「尻を叩」きたくなってしまいます。

家ではいつも子供たちに言ってしまいます。口うるさく。

おもちゃで遊び終わったら片付けること、お菓子の包み紙はゴミ箱に捨てること、暖房をつけて暖めているんだからリビングのドアは閉めること、明日の朝バタバタしないように前日の夜から学校や保育園の準備をすること。

そういうことを、何回言っても、優しく言っても厳しく言っても、全くやってくれない。その場では聞いてくれることもありますが、それが習慣化しない。

そんな時、ふと仕事上でも同じような場面に遭遇しました。

現在担当している開発案件での出来事。

一部の作業をお願いしている外部の業者さん。毎週の進捗会議でほとんど進捗が無く、先週と同じ報告内容の時さえあります。その挙句、私の担当作業にまで影響が及び、まさに今にも「早くこれ終わらせてくれないと困るんですけど!」的な状況に陥ってしまいました。

ですが、私の上司は、そのような状況でも無理やりに催促せず叱咤もせず、うるさいことは一切言わない。もっぱら「協力ありがとうございます。大変な状況ですが、ご無理なさらずよろしくお願いします」と言うのみ。

いやぁ、すごいな。人間ができている。

私には出来ない。

出来ないと思ったけれど、多分そうするのが正解なんだと思います。

今の時代、仕事上で「上下関係」を持ち出して自分より「下」の立場の人にアレコレ命令してしまったら、どうなるか。

仮にそれで仕事が完遂できたとしても「もうあの人と一緒に仕事をしたくない」と思われかねません。

何より、それで相手が身体や心を壊してしまったら・・。下手したら相手の生命にも関わります。法的手段も取られかねません。とても仕事どころじゃない。

そしてそれは、何も仕事だけに限った話ではなく家庭でも同じかもしれません。

「口うるさく言う」態度が彼らからの信頼を失わせ、やる気を削いでいる可能性も大いにあるわけです。我々は「親子」というだけで「上下関係」はそこには無い。何より彼らは自分とは異なる一人の人間であって、他人です。

仕事でも家庭でも、自分の力で現状の問題を打破してもらう、つまり自立して成長してもらうことが、全体的には一番良い結果になるような気はします。

それで思うことには、叩くべきは他人の尻ではなく、己の頬なのかもしれない、と。

目を覚ませ、誰かを動かせるなんて思い上がるのもいい加減にしろ、と。

そういうわけで、何か言いたくなってもグッとこらえて見守り、ちょうどいいタイミングで手を差し伸べてあげられるような、そんな人間になりたいと思いました。家庭でも、もちろん仕事でも。まぁ、道のりは遠いけど・・。おしまい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?