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定型詩雑感

  1.  俳句とか川柳などの短詩を主に書いていたころは、他の方よりも面白いものを書かなければという意識があった。そういう意識を否定したいと考えていても自然と競争の中に放り込まれていたように思う。他の方との競争意識から解放されるためにはフィールドを変えなければならなかった。ぼくの場合は。

  2.  ひとつ前の筆名のときから始めた「七ならべ」だけど、このフォーマットに書きやすさを感じている。以前は五七調にも興味があって長歌の形式でも書いていたけれど、最近はそのリズムがあまり浮かんでこない。定型詩が好きなんだろうな。自分の書いているものが詩なのかどうか自分でもよくわからないが、便宜上詩と呼んでいる。

  3.  短歌や俳句等の短詩は別として、定型詩を書こうとする方は(自由詩や散文詩と比較すると)たぶん少ない。それでもXで七五調の定型詩を書いていらっしゃる方などを見ると、ぼくはひとりじゃないという気分になる。

  4.  定型という制限下で、ある単語が思いがけない単語を連れてくる。そこに自分の思考を超える発想が生じるのが定型詩の面白さだと感じている。「そんなのは詩ではないよ、ことば遊びだよ。」と言われるのであれば、ぼくは”ことばの遊び人”でいいと思っている。”詩人”などと呼ばれるよりははるかに良い。

  5.  結局、他者と比較されるような場に立つつもりはないのだから、詩であろうがなかろうが別にかまわない。書いているぼくが楽しければそれでいい。もうちょっとだけ欲を出すのなら、読んでくださっているあなたも楽しいと感じていただけるのなら最高にうれしい。

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