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ぼくが書きたいもの

 ぼくの書いているものが詩だとして。

 ぼくは何かを伝えたくて詩を書いてはいない。もちろん自由に解釈していただきたいけれど、正解を求められても答えられない。ことばが勝手に意味を纏っているだけで、それはぼくの意図ではない。

 ぼくは、ぼくの詩を読んでいただく方に強いインパクトを残したくない。ただ、ほんの少し心地よいことばの配置があって、そこになにかの感情が生まれたらいい。ことばそのものもぼくのことも覚えてもらえなくていい。心地よさを感じたことだけがこころやからだのどこかに残ってくれていたら最高だ。

 読んでくださった方から「あたたかい寂しさを感じる」という感想をいただいたことが何度かあった。とても嬉しい。もちろんそれとは違う感覚を感じていただいてもいいし、何も感じなくてもいい。そういえばあの時心地よい風が吹いたな、くらいに思っていただけるのであればこんな嬉しいことはない。

 そんなこと言えるものを書けてはいないけれど、そんなつもりで書いている。

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