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真夜中のアップルパイ

突然、夜中に目が覚めた
もう一度眠ろうとしたのに
モヤモヤした現実を思い出す

やれることは全力でやってきた
でも失敗することがたくさんあって
上手くいったことは誰かに奪われる
傷つく事ばかりで
状況は何も変わらない
川に浮かぶ葉っぱのように
逆らう事なくただ身を任せて
時の流れにゆっくりと流されていれば
運が味方してくれるのだろうか

いつも自慢ばかりしている人は
なぜか運がよくて
大した努力もしないのに
簡単に幸せを手に入れる

何も言わずに
周りの人に気を使って
ただ黙々と努力している人に限って
悪い出来事がまとわりついて
苦労ばかりで、なかなか報われない

この差はいったい何だろう?

まともな人ほど
バカをみる世の中のシステム

全てを投げ出したくなるような
苦い現実に
ため息ばかりが降り積もる

助けてくれる仕事の人に
勇気を出して相談してみた
「他の人に比べたらまだマシな方だから
 あなたは大丈夫」と
カラカラに乾いた笑顔で
あっけなく突き放された
助けてはくれなかった

大丈夫じゃないから相談してるのに

私の周りに起こる全ての問題が
しゃぼん玉のように
簡単に消えてしまう日が
いつかは訪れるのだろうか 

たくさんの心の傷がどれも深くて
身動きがとれなくなってしまった
今できることは
空いた時間に泣くことと休むこと
なんて無力なんだろう
こんな私でも
生きている価値はあるのだろうか

そんなことを考えていたら急に
我慢してたアップルパイが食べたくなった
まだ暗い午前3時
近くのコンビニまで自転車を走らせる

無心で食べたアップルパイは
わずかな安心感と幸福感
そして大きな罪悪感
我慢のすればする程
貯まってゆく苛立ちとお腹の脂肪
この脂肪をお金に換えられたら
喜んでいくらでも生産するのに

夜が明けてカーテンに薄く光が届く
遠くから鳥たちの声が聞こえる
穏やかな朝の始まり
私の人生も早く
こんな穏やかになればいいのに

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