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夜猫

今日も忙しいだけの1日が終わる
仕事帰りにコンビニでお弁当を買う
ここ何日か疲れすぎて
自炊できない自分に嫌気がさす

人気も車もない夜の車道は
信号の色の変化が
時間の流れを教えてくれる
信号を待ちながら
「ふぅー」とため息をつく

私はガラクタ
だから自分が大嫌い
愛した人から
毎日雑な扱いされてきたから

幸せそうな友達は
可愛くて頼りなくて
私から見ても
守ってあげたくなる

でも、私は全てが冴えない
まともにやっているつもりだけど
パートナーはいつも不機嫌
私をバカにする

初めは「そんなことない」って
自分に言い聞かせていたけど
そのうち「自分はダメなんだ」と
思うようになってきた

冴えない人生

薄暗い住宅街の中で
煌々と光る自販機の横から
茶色い野良猫が出てきた
私の足元でスリスリしてる

しゃがんで猫を撫でていると
目を細めてグルグルいってる
初めて会ったのに
懐かしくてホッとした

空を見上げたけど雲が厚くて
今日はお月様に会うことはできない

「色々あるけど、お互い頑張ろうね」
急に涙が込み上げてきた
お腹を見せて横たわる猫が
「ニャーン」と高い声で答えてくれた

私は立ち上がり猫に手を振る
「バイバイ、またね!」
猫も立ち上がり物足りなさそうに
こっちを見ている

「あんな夜もあったな」と
クスッと笑える未来に
なっていますように

今日はお月様ではなく
たくさんの雲たちにお祈りしてみた


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