見出し画像

コミュニケーション支援

発語がない息子のためにふうせんかずらを立ち上げて5ヶ月が経ちました。立ち上げから今までのことをコミュニケーション支援という視点から振り返ってみようと思います。

今までは生きて行くのに必死すぎて、コミュニケーション支援を行うということまで頭が回っていなかったのですが、だんだんと生活が落ち着いてきて将来のことが考えられるようになり、いろいろ情報を集めて行く中でPECS®︎に辿り着きました。研修を受けたり、マニュアルの読書会に参加したりして自分なりに日々勉強をしています。そんな日々の中でやはりPECS®︎を使ったコミュニケーション支援は子供にとって大きな助けになると確信しています。
一刻も早くPECS®︎を使ったコミュニケーション支援を進めたい私にとって一番の難関は、一番最初のフェイズは二人で教えなくてはいけないというところでした。そこで「ふうせんかずら」という事業所をたちあげ、スタッフにも全員PECS®︎のレベル1研修を受講してもらい、6月から本格的にPECS®︎を使ったコミュニケーション支援を始めました。

一人遊びが苦手な息子は強化子探しも一苦労でした。誰かと遊ぶのは好きだけど、特にこだわりの遊びがあるわけでもない。好きな特定のおもちゃもない。PECS®︎を使ってのコミュニケーションを教えられる場面が限られてしまい苦労しました。それでも何度かのやりとりを繰り返して行くうちに「カードを誰かに渡せば良いことがおこる」という学習は進んできました。

息子のために用意したPECS®︎ブックですが、それに興味をもつお子様が意外と多くて、ふうせんかずらに来るたびにブックの中身を確認して食べたいものややりたいものを教えてくれるお子様もいます。こういう子供たちのためにもどんどんPECS®︎の存在を広めていきたいなと考えています。

一人一冊PECS®︎のブックを持って事業所や学校、家庭でコミュニケーションが取れるようになってきたら素敵ですよね。

息子は最重度知的障害児で、何かを理解して物事をすすめていくのにもたくさん時間がかかります。スモールステップの積み重ねですが、5ヶ月前と比べるとできることが少しずつ増えてきました。

コミュニケーションを取る機会もすごく増えてきたと感じています。PECS®︎を自分から使う場面も家庭では増えました。ある特定のカードのみですが、朝起きてすぐに持ってきます。家族みんながうんざりするくらいその特定のカードを持って追いかけてきます。これもある意味成長ですよね。欲しいものが目の前になくてもそのカードさえ誰かに渡せば願いが叶うということを学習しています。

それ以外にも指差しや発声などでコミュニケーションを取ろうとしている姿が前より増えました。PECS®︎を使うことによって伝わることが増えたので、それが他者とコミュニケーションを取る自信につながってきたのかなと感じています。このコミュニケーションを取ろうとしている意欲をそのままPECS®︎に置き換えて、誰にでも伝わる方法でコミュニケーションが取れるようになって欲しいなと思っています。

PECS®︎のブックを用意したり、研修を受けたりするのは自費になってしまうのでなかなか周りに強くお勧めすることができていないのですが、一緒にやりたいと言ってくれるお父様、お母様方がいらっしゃったらなぁ。

一緒にカードを作ったり、家庭での実践について情報共有をしたり、やりたいことはたくさんあります。

来年度は息子の学校のPTAの本部役員も引き受けさせていただきました。せっかくの機会なのでここでも発語がない子供(大人も含めて)のコミュニケーションに関する権利について皆様にも考えていただくきっかけになるような発信をしていきたいなと考えています。

誰もがコミュニケーション支援についてきちんと理解して取り組んでいくことで、子供達が心穏やかに豊かに生きていける環境づくりができると思っています。

まだまだ道半ばですが、これからもコミュニケーションに関する権利を大事にしながらコミュニケーション支援に取り組んでいきます!






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?