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2021.09.18 第5節 バイエルン vs ボーフム

CLでのバルサ戦から中三日間を空けてのアリアンツ・アレナでの一戦。スペインから帰ってきて数日だが、コンディションはいかなものか。
相手は昇格組のボーフム。日本人選手もちょくちょく在籍していたりで馴染みのあるクラブであるが、今回浅野は負傷の影響でメンバー入りせず。何故かバイエルンは日本人にゴールを奪われやすい傾向にあるので、安堵半分・残念半分である。堂安といい鎌田といい奥川といい…ぐぬぬ。

何はともあれ気になるスタメンは以下のものでした。

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前回のバルサ戦からの変更点は、ウパの位置にリュカが入り、ベンジーが務めていた右SBをスタニシッチに、ムシアラが務めていた右WGにニャブリを起用しているところ。
キミッヒ休ませんでええんか? とファンなら思ったことだろうが、多分本当に大丈夫なんだろう。鉄人すぎんか。

先に結果を示すと、ヘッダー通りの7-0の炭鉱スコアである。流石にチーム力に差がありすぎた故の虐殺である。
試合内容としてもクオリティを発揮できていた印象で、普段サッカーを観ない家族がしばらく眺めて「虐めじゃん」と、ドン引きして寝室に向かっていった。
最後まで攻撃の手を緩めないのはバイエルンの美徳であり、かつ健全経営であまり不沈が少ない。つまりファンとしては安定して脳汁を垂れ流すことができる、合法的にトべる最高のエンタメなのだが、なかなか理解はされにくいものだ。

まぁいいや。とりあえず個人レビュー…
の前に、ビルドアップ時の可変したフォーメーションも示しておこう。

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デイビスが高い位置をとり、センターバックに相手FWがプレッシャーをかけに来た時の受け皿にキミッヒが降りて来る。という(ダウンスリーというらしい)形である。以前はよくチアゴが降りてきていた印象が強い。
では改めてレビュー。

サネ:芸術的フリーキックで先制と、最高の形でゲームを動かしてくれただけでハナマルだが、それだけに留まらない活躍を見せてくれた。
前回のバルサ戦でポジショニングについてはボロクソに言ってしまったが、やっぱナーゲルスマン監督は修正を促したのではなかろうか。それくらい今回は動きが違った。
献身性の向上だけでも感涙ものだったが、今回はお得意の外に張っての突破ではなく、中に入って外のレーンをデイビスに有効活用させるムーブが増加していた。現に、デイビスが敵陣深くまで侵入するシーンが増えていたと思う。
多分、前回は「まぁ、勝っているし、試合中のテンションに水を差してまで口うるさく言うのは野暮かな」とでも監督は思ったのだろうな。思春期の息子を持つ親心である。ありがとうママン。

レヴィ:連続ゴール記録をまた更新。義務得点という概念はいつから生まれたのだろう。
DFとの駆け引きがうますぎて、義務得点のノルマを達成後に交代するまで相手DF陣がマジで押し込まれ続けていた。相手オウンゴールも実質レヴィの得点のようなものだし、プレッシャーがヤバイんだろうことを示唆させる。
冷徹なキリングゴールマシンとか必殺仕置人とか言われているが、多分ターミネーターと見られている。ワイからもそう見えるときあるし。

ミュラー:みなぎる闘魂で味方全体にバフをかけるパッシブスキル持ち。それは事実だが、絶妙なポジショニングでマークを限定させず、常にプレッシャーを与え続けて相手をストレスで禿げさせるのが彼の真価であるので、むしろ敵全体にデバフをかけるパッシブスキル持ちと言える。
戦い慣れればそれなりに対策は立てられるかもしれないが、昇格組では色々と厳しいだろうな…
なお、取り消されてはしまったが8点目を奪った際のクソダサゴールパフォーマンスだが… 賭けても良い、絶対に後でデイビスがネタにする。

ゴレツカ:契約延長キタ! ありがとうアニキ!
B to Bの動きが冴え渡る。攻撃の楔にもなれば、カウンターの芽を花園タックルで無慈悲に叩き潰す。当たり負けしないって素晴らしい。筋肉って素晴らしい。
冷静に考えてラガーマンの全身全霊タックルを喰らうのって、2階から冷蔵庫が落ちて来るようなもんだよな、と思うと寒気がする。ワイなら死ぬ。あかん、こいつもターミネーターに見えてきた。

キミッヒ:労基法? なにそれ? と言わんばかりに今日もヨズアは走り回る。前半の最長走破者である。またかい。
サービス残業すら厭わなそうな彼だが、今回は多少のパス判断速度の低下はあったもののコンディションはバルサ戦より格段に上昇。
縦パスもポンポン入るし、チャンスとあらばエリア内に侵入。結果、なんとドッペルバックである。
特に1点目の反転シュートはスパーズ戦のレヴィを彷彿とさせる冷静冷徹な逸品だった。交代の時も物足りなさそうだったし、どういう新陳代謝をしているんだ? こいつもターミネ(略

ニャブリ:サイドを突破したり、中に入ったりと豊富なアイデアで相手を困らせていた。調子は確実に戻ってきている。自陣でのファールから早いリスタートで、あっという間にゴールを奪ったのは正に電光石火だった。
守備意識も非常に高く、後半はサールとWG ⇔ WBのスイッチを連動して行っており、見ていてなかなか面白かった。まぁ、サールの戻りが悪くて孤立するシーンも印象に残ってしまったが、まぁそれはこれから追い追い磨き上げてくれれば。

スタニシッチ:純粋なテクニックや対人守備の面ではベンジーに、スピード・突破力ではサールに軍配が上がるが、守備的選手として非常に大切な「あまりやらかさなさそうな安心感」はスタニシッチが勝る印象である。(まだ印象に残るやらかしをしでかすほど試合に出ていない)
しかし、かつてラームがそうであったように、決して無理しない選択をしてくれているのは見ていて安心できるのだ。もしかすると、若輩者だからという遠慮で堅実なプレーチョイスに終始しているのかもしれない。だとしたら、むしろ一度くらいやらかした方が精神修行になるかもしれない。そこから一皮むけて大胆な選択を取れるようになったとき、真価は見られるのだ。
是非ともズーレパイセンを見倣ってもらいたい。(ズーレのようになれとは言っていない)

デイビス:この日は美人で有名な彼女であるウイテマちゃんが観戦に来ているということで士気がかなり高まっていたのか、なかなかにノリに乗っていた。サネのポジショニング改善もあり攻撃面では敵陣深くまで入り込めることも増え、楽しくプレーできていた印象。
デイビス自身もインナーラップの選択がよりスムーズにできれば、今度はサネが外に開いてレーンを更に有効活用できるようになったりするので、そのあたりも監督は指導するだろう。今後の注目ポイントである。
あと、どこかでミュラーのクソダサパフォーマンスを煽るだろうからそれも注目したい。フォンジーならやる、絶対にだ。

リュカ:守備職人ここに極まれり、と言わんばかりの鉄壁。正直、対人戦なら負ける気がしない。しかし、そうなるとより贅沢な注文を付けたくなるのがファンの性で、是非とも攻撃性能を高めてほしいところ。
前回のバルサ戦だが、相手CBのアラウホの対人守備能力の高さが注目されていたが、ビルドアップやポジショニングに全くと言うほど怖さを感じなかったし、現に攻撃が停滞気味になっていた感もあった。
アラバは守備のやらかしが半端なかったが、それを補って余りある攻撃の判断性能があった。リュカも、正確無比なロングフィードとは言わなくとも、無理のない持ち上がりの判断能力を鍛えたい。ナーゲルスマンが気付いてないはずがないので、これからに期待。

ズーレ:守備のやらかしも少なく、今回も意外とパスが良く、全体的にソツなくこなしていた。
ホッフェンハイム時代に実はナーゲルスマンとは共闘しているので、実は監督交代で最も深いところで影響があったのがズーレではないかとも思っている。
先述した通りにデイビスが高い位置を取った際の3バックの右がズーレになるが、2016シーズンでのホッフェンハイムでのポジションなので、親和性が高いのかもしれない。契約更新について注目されているが、人間関係も要員の一つとして見てみたい。
①「ナゲ監督 コンゴトモ ヨロシク」 
②「クソ上司 オレサマ オマエ マルカジリ」 
③「ソレヨリ モット 金ヨコセ」
どうなるか。頼むから③から泥沼にならないようにしてくれ。

ノイアー:相変わらずあまり出番がなかった。余計な接触も少ないので怪我のリスクが軽減され、更にありがたいことである。しかし、逆に試合勘が心配になる。
リードする前にDFが前半で退場したらボッコボコになるのでは、と考えても仕方のない心配を一瞬したが、この前シュトゥットガルト戦でデイビスが早々に退場し、レヴィが怒りのハットトリックを決めて4-0で勝利していたのを思い出した。
…練習がんばろう!

オマリチャ:後半からデイビスに代わり出場。流石に攻撃時の迫力はデイビスには劣るものの、攻守ともに安定感のあるプレーでファンを安心させてくれた。フリーでの獲得したことを考えると大勝利である。給料もそんなに高くなさそうだし。
さてはて、そうなると真価が問われるのは強豪とのガチバトル。多分だが、マッチアップする相手がエムパベやマフレズとかになると厳しい気もする。
スピードや身長は仕方なくとも、スタミナは上げられるし、フィジカルはブラッシュアップというかパンプアップできるので、ゴレツ化してSBの層の更なる拡充に貢献してもらいたいところである。

サール:スタニシッチに代わって出場。バイエルンファンからはクソザコナメクジのように評価されているサールだが、攻撃のセンスはあるので今でもマルセイユサポからは復帰待望論が続いている。
なお、右WBではやれるのでは? と思われたが昨年アトレティコとの二戦目でその希望は儚くも崩れ落ちた。しかし今回は光るところも随所に見られた。
面白かったのがニャブリとの位置のスイッチで、サールが上がる時にニャブリが落ちてバランスを取っていたところ。監督が二人にどう指示したのかは分からない。「ニャブリ、サールが上がったら中に入るんじゃなくて後方からフォローしろ」だと思ったが、もしかしたら「サール、好きに攻めろ。あとはニャブリが埋め合わせする」かもしれない。
なお、本当に言うべきは「サール、攻撃力は君の美徳だが、攻撃が終わったらすぐに初期配置に戻れ」だった。結果的に守勢時にニャブリが孤立して狩られかけてしまった。総じて、スカパー解説の「今もニャブリはよくついて行ったと思いますけど、じゃあサールはどこ行ったんだって話になりますからね」の一言に集約される。
…頑張れブナ・サール!!!

ザビツァー:サネに代わって出場。すでに5点を取っていて残り30分だったので、本人としては試合をクローズさせるフレッシュ交代の印象だったかもしれないが、ここは死体を蹴りに行くバイエルン。
「え、まだ搾り取るんすか…?」とばかりにちょっと消極的であまりプレーの根幹には関われていなかった印象。多分、若干引いていた。もっとバイエルンの色に染まってほしいところだ。
エゴイスティックにはならなくて良いので、よりサディスティックになってくれ。

チュポ:義務得点のノルマを果たしたレヴィに代わり出場。ライン間の駆け引きの上手さは流石にレヴィには劣るが(すべての選手に言えることなので当たり前で比べるのが可哀想ではある)なんだかんだでテクニックはあるのでスーパーサブとして1ゴールを献上し、ブンデス通産50得点を達成。マーベラス! 
ゴールは泥臭くわちゃわちゃしており、2回止められて3度目の正直で手繰り寄せたものだが、あれは相手キーパーを褒めるべきでしょう。
しかしながらこの選手をフリーで獲得したのはサリハミジッチにしては英断だったと思う。「人柄で選んだ」とか言っても、ちゃんと結果を出せるんだから素晴らしい。(給料もあまり高くないだろうし)

ニャン蔵:キミッヒに代わって出場。もともとボランチもやっていたわけだが、キミッヒとはキャラクターもとい役割が全然異なる。キミッヒが固定砲台+B to Bだが、ボランチ起用のニャン蔵は中盤の刈り取り屋である。
レヴィが交代したことでプレッシャーが軽減され、ボーフムの動きが活性化したところを迎え撃つ形を取ったということなのだろう。結局、らしいピンチには陥らず、務めを果たしたと言えるだろう。
でも、どこを目指しているのかはよくわからんのだ。将来チームでどういうポジションに充てられることを想定されているんだ? 誰か教えてくれ。

総評:らしいバイエルンが見られた一戦だった。やっぱり観客が入っているアリアンツは良いものだ。
メンバーの調子も全体的に向上しているし、このまま好調を維持してもらいたいところ。
ところで、こういう試合こそベンチメンバーの肩慣らしを行うには良いものだと思うのだ。そう、ロカとトリッソの復帰はどうなっているのだろうか…? 

さておき、次節はアウェーで未だ勝ち星のないグロイターフュルト戦。堅実に勝点を重ねてほしいところである。
嘘。チーム力に差があるのは明白なので、慢心せずしっかり脳汁垂れ流しスコアをマークしてほしいところである。それより怪我はしないでね。

また気が向いたらレビューしようと思う。

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