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本当は使える制度があったのに担当者がそれを教えてくれなかった理由

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担当者を信じる


弊所ができることは、相談者が利用できる制度やサービスを①探すこと。②利用ができるようにサポートすること。相談者によっては①をご自分で②を弊所に依頼する、という方もみえます。


①利用ができる制度やサービスを探す場合、明らかに相談する窓口が分かっていることがあります。例えば、ご自分の年金記録の確認は、お住まいの地域を管轄する年金事務所etc


しかし、そこで伝えられた情報が間違っていた、本当は他に使える制度やサービスがあった、利用できると教えてもらった制度やサービスが本当は利用できなかったとしたら・・。そうしたことは頻繁にはありません。しかし、あります。


今回は実際に弊所にご相談があった「本当は○○だった・・」という事例をご紹介します。




相談内容 


・20代男性からのご相談。


・適応障害を患い退職。失業保険をもらいながら就職活動をしている。


・病状が悪化(気分の落ち込みや朝起きられないなど)し、就職活動を続けることができなくなった。


・ハローワークに相談をしたところ「月に2回以上の求職活動実績がないと失業保険の支給はできません」と言われた。


・仕事をしていないので生活費がない、病状が悪化し就職活動もできない、このような状況で経済的に支援をしてくれる制度やサービスはないか。




調査結果

傷病手当(雇用保険法)」の申請ができます。



                                                         

「傷病手当」の申請及び受給要件


※相談者と相談者の住所地を所轄するハローワークに確認をしました。

※該当する項目に☑を入れてあります。



<雇用保険の基本手当(失業保険)の受給資格はありますか>☑ 


<失業後にハローワークに求職の申込みをしていますか>☑  


<病気やケガで15日以上引き続いて求職活動を行えない旨の証明書を医師に書いてもらえますか>☑ 

※病気やケガで求職活動が行えない期間が14日以下の場合は、通常通り基本手当(失業保険)が支給されます。


<病気やケガはハローワークへの求職の申込みの後に発生していますか>☑

Q.弊所よりハローワーク担当者へ。適応障害は求職の申込みの前(退職前)に発症しました。医師と相談し、治療を続けながら求職活動を行うことにしました。しかし現在、病状が悪化し、求職活動ができない状態です。こうした状態で傷病手当の利用はできますか。

A.ハローワーク担当者より。申請できます。退職前に病気やケガが発症していたとしても、求職の申込みの時点で求職活動が行える状態で、その後に病状が悪化したということであれば、傷病手当の申請はできます。


以上。




間違っていない≠欲しい答え

失業保険についての相談だったため、相談者はハローワークに行かれました。担当者とのやり取りを相談者から伺いましたが、決してハローワークの担当者が不誠実だったわけでも、間違ったことを伝えたわけでもなかったように感じました。しかし、相談者は「欲しい答え」がもらえませんでした。


間違っていない=正解・・というわけではありません。こうしたことは、相談対応の場面に限らず、人と人との関わりにおいて、よくあることだと思います。相談をして「制度はありません」と言われたにもかかわらず、「本当は違うのではないか?」とさらに詳しく調べようとする人はどれだけいるでしょうか。


相談者に事実を伝えること、間違っていないことを伝えることに問題はありません。ただ、そこに徹するだけでは、困りごとを解決できず、取り残されてしまう人が出てきます。


弊所は相談者からの依頼に対して何をするのか。

・真摯に相談者の話を聴きます。

・利用ができる制度やサービスを探します。

・利用できない時は、利用ができるようになるためにアイデアを絞ります。

・関係機関や関係者との合意形成を図ります。


お困りごとがある方は、弊所までお気軽にお問合せください。




ご注意ください

今回の記事で取り上げた制度は「傷病手当」です。

健康保険の「傷病手当金」と名称が似ているため、間違われやすいです。ご注意ください。


傷病手当は、退職後にハローワークで、
傷病手当金は、退職前に協会けんぽに相談をしてみてください。

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