五百弟子受記品(ごひゃくでしじゅきほん)第八
法華経原文(訓読文)
号をば、法明如来・応供(おうぐ)・正遍知(しょうへんち)・明行足(みょうぎょうそく)・善逝(ぜんぜい)・世間解(せけんげ)・無上士(むじょうし)・調御丈夫(じょうごじょうぶ)・天人師(てんにんし)・仏世尊といわん。
(1)(2)その仏は、恒河(ごうが)の沙(すな)に等しき三千大千世界をもって、一仏土(いちぶつど)となし、七宝を地となし、地の平(たいら)かなること、掌(たなごころ)の如くにして、山陵(やま)・渓澗(たに)・溝壑(みぞ)あることなからん。
(3)(4)七宝の台観(たかどの)は、その中に充満し、諸天の宮殿(くでん)は近く虚空に処し、人と天と交接(きょうしょう)して両(もろもろ)ともに相見ることをえん。
(5)諸(もろもろ)の悪道なく、また女人(にょにん)もなくして、一切の衆生は皆、もって化生(けしょう)し、婬欲(いんよく)あることなからん。
(6)(7)大神通(だいじんずう)をえて、身より光明を出して、飛行すること自在ならん。
(8)志念は堅固にして、精進と智慧あり、普く皆、金色にして、三十二相をもって自ら荘厳せん 。
(9)その国の衆生は、常に二食を以てせん。一には法喜食(ほうきじき)にして、一には禅悦食(ぜんねつじき)なり。