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不敗でも点る"黄信号"。立川・府中に主導権握られ、大阪、薄氷を踏むドロー。Fリーグ4節速報レポート

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2019年6月15日(土)、丸善インテックスアリーナにて、Fリーグ2019/2020 ディビジョン1の第4節、シュライカー大阪×立川・府中アスレティックFCの1戦が行われた。

※後ほど、①監督、選手の試合後コメント、②試合写真を追加掲載します。

開幕4連勝。ホーム連勝を懸けるも、またも、追う展開に・・・

ホームゲーム2戦目ー。開幕から"土つかず"(不敗)は首位のバサジィ大分とシュライカー大阪だけ。『開幕4連勝』『ホーム連勝』を懸け、サポーターの声援を後押しに、ホームで勝ち点を積み上げたい試合だった。

ところが前節の(ボアルース)長野戦同様、この日もホームの大阪が追い上げる展開に。ジリジリしたサポーターも多かったのではないだろうかー。

試合の立ち上がりから、主導権を握ったのは、どちらかと言えば"アウェー"の立川・府中の方だった。

18:40 コーナーからのボールを一瞬フリーになった立川・府中⑤皆本のシュートは、大阪ゴレイロ㉑檜山 昇吾の正面。右キックインからも、裏まで届いたボールに⑭新井 裕生がボレーで合わしに行くなど、立川・府中がまずは、セットプレーからシュートチャンスを掴む。

大阪も、18:30、⑭仁井 貴仁が、ピヴォの⑩相井 忍につないで、相井の反転シュートなど、決定機をつくる。

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14:37には、左サイドの⑨マティアスから、ゴール前、対角に流し、⑤アルトゥールが合わせに行くが、ゴールならず。お互い、ゴールが遠い展開になっていく―。

先制は立川・府中。07:02、右コーナー付近につながったロングボールを⑬渡邉 知晃がゴール前に折り返し、⑲ジョーが合わせて、押し込んだ。

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大阪もその後、88番・稲田 瑞穂の反転や、⑤アルトゥールのカットから、⑨マティアスが持ち上がって、88番・稲田にラストパスなど、チャンスをつくるが、得点には至らない。

前半終了間際の00:03、右コーナーから、88番・稲田が押し込もうとしたシュートもバーの上を越えて行き・・・、0-1。前半は立川・府中がリードでの折り返す。

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今季

後半開始早々、立川・府中に追加点。"世界のミナモト"がミドルシュートを叩き込む

後半早々の、18:24、ピッチ中央やや右寄りの位置から、立川・府中は⑤皆本 晃が、対角、ゴール左下にミドルシュートを決めて、2-0。リードを広げる。

パスミスでボールをロストする大阪を尻目に、立川・府中は、16:43にも、⑬渡邉 知晃が連続シュートでゴールに迫る。しかし、これは大阪の守護神⑫檜山 昇吾が懸命のセーブで追加点を許さない。

相井のダイレクトシュートで1点差に

大阪は、08:10、キックインから、⑧加藤 未渚実が⑤アルトゥールにつなぎ、アルトゥールが逆サイドに素早く展開したボールを、⑩相井がダイレクトで合わせて、1-2。加藤が「練習している通り」という形で、待望のゴールを奪った。

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しかし、05:22、大阪は⑱田村 友貴のイエローカードで、5ファウルが溜まるなど、苦しい展開に―。03:34から、⑩相井をゴレイロに入れてパワープレー。状況の打開を図るが、ゴールは遠い・・・。

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残り9秒でPKを獲得。アルトゥールが決めて、ドローに持ち込む

しかし、試合終了まで、"残り9秒"の時だった―。

右サイド、ペナルティエリア内でパスを受けた⑨前鈍内 マティアス エルナンに、立川・府中ゴレイロの①田中 俊則がチャージ。マティアスが倒れ込み、審判はピッチ中央を指差した。"PK"だー。

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このPKを、大阪は⑤アルトゥールが確実に決めて、2-2。土壇場で、ホーム・大阪が試合を振り出しに戻した。

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試合はそのまま、2-2でタイムアップ。ホーム・大阪としては、苦しみながらも、最低限の「勝点1」を得る試合となった。

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シュライカー大阪⑧加藤 未渚実選手インタビュー

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―試合を振り返って。

加藤選手「正直なところで言うと、攻撃の形がハッキリ見えてきたらいいかな・・・、攻撃が単調かな・・・と。僕が1対1をするにしても、もう1人が絡んでくるとか。小曽戸選手がそういう役割をしてくれていて、いま、ケガしていないというのがあるんですけど・・・。もうちょっと1人だけでなく2人、3人絡んで攻撃できれば。アルトゥールからマティアスのパスに僕が絡んだり。1つの形からもバリエーションを増やしたいという気持ちはありますね。少し孤立している感じがあります

―まさに、そこについては質問しようと思っていました。ボールを「持ったら仕掛けろ」とは言われている?

加藤選手「仕掛けるのは仕掛けるんですけど・・・、という感じですよね。アイソレーションはアイソレーションであるんですけど、全部それなので・・・。相手のディフェンスがマンツーマンで開くことでスペースはできるんですけど。ひとつは自分が相手のディフェンスを凌駕するレベルまで持って行かないと行けないというのはありますが、それが甘えなのか・・・。甘えてサポートが欲しいと思っているのか・・・。『そこは確実にシュートまで行ってくれよ』という想いなのか・・・」

―前半、出場時間が短く感じたのですが・・・?

加藤選手「去年はスタメンで出ていた。今年は次のセットから出ているので短くなっている部分はあるかもしれません」

―ケガやコンディション不良があるわけではない?

加藤選手「無いです。疲れは多少ありますけど」

―(今日は試合終了)ギリギリで追いつきましたが・・・。

加藤選手「いやぁ・・・。本当に"最低限"ですかね。パワープレーでも最後の1本がつながれば崩し切れているのにというのも、体がずれたり、ボールがダフったりして、最後のシーンも、中を見たんですけど、ここというパスコースが無くて、トラップしちゃったんですけど・・・。ふたコースぐらい欲しいは欲しいじゃないですか・・・」

―ただそのあたりの攻撃の形に関しては、(比嘉監督の元で)大きく変わっていないですよね?

加藤選手「そうですね。ただチアゴが居なくなったのが僕の中では大きいですね。いま、マティアスがピヴォに入ってくれていますけど、マティアスも生粋のピヴォじゃない。アルトゥールは相性がいいかもしれないですけど。僕から中へのパスはマティアスにとってはあんまり良いパスじゃない。後半1回ありましたけど、僕が中へカットインして、マティアスに当ててシュートに行った形。ああいう形は増やしたいですね。マティアスは真ん中に居てくれますけど、受ける態勢であるのか、まだ不安を感じる部分があります」

―練習でもそのセットで組んでやっている?

加藤選手「いや。バラバラです。今は課題しかないですね。今日も最低限。府中にとっては痛い同点だったかな・・・と思いますけど。9、10、11節がすみだ、名古屋、大分との対戦になるので、それまでコケないようにしないという想いがあって。この府中に勝てれば勢いに乗れるかな、というのはあったんですけど・・・。(1点目の)得点の形は良かった。練習どおり。後は自分を含めてのプレーの質。簡単にミスしちゃっているので・・・。去年だったら回避できているとか、球際負けてないとか、こぼれ球を拾えているとか、そういう細かいところでズルズル悪い方向に行っちゃってるのかな・・・と。それを変えるためには、日々の練習の緊張感かな、と思います。練習からミスしないように。もっと緊張感持って。上の世代からもやっていかないと」

立川・府中アスレティックFC・山田 マルコス 勇慈監督インタビュー

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―試合を振り返って。

山田監督「ゲームプラン通り進んだ。いいゲームができた。チャンスもつくれて、いい感じだったからこそ、最後、勝利で帰れず、悔しいです。相手の特徴をうまく封鎖をかけれれば。大阪はプレッシャーが強いチーム。そこにやられないように攻撃すること。あとは個人も強いので注意すること。最後は大阪と言えば『カウンター』が日本一ぐらいの質があるチーム。最後、パワープレーに関しても、今年はまだ大阪は(パワープレーを)していませんでしたが、去年の形からスカウティング、予想通り進みましたが、最後、あそこはもう1回動画で確認しないといけない。個人的にはPKじゃないと思った。とにかく振り返っても変わらないものなので、自分たちでつくったチャンスを決めて行かないと。ゲームプラン通り進んだと言いましたが、大阪を完全にコントロールしたということではありません。うちのキーパーが輝いていたこともありますし。いつも凄いんですけど。クロ(クロモト)にしてもトシ(田中 俊則)にしても相手の良さをカバーしてくれるキーパー。大阪をリスペクトしているからこそ、ウチの力を証明したかった

―今年から立川・府中の監督に就任されましたが、どういうフットサルをしていこうと思っていますか?

山田監督「理想の形は、しっかり攻撃できるチーム。単純にボールを蹴って前に走るとかじゃなくて、しっかりボールをポゼッションして主導権を握っていけるチームをつくりたい。後は戦えるチーム。特に見せたいのは守備。2人のキーパーは日本一ぐらいのレベルにあると思うので、ディフェンスを頑張れば失点は少なくなると思っています。相手のチャンスを奪えれば、1-0でも勝つことができるチームだと思っています

―攻撃に関して。今日もプレス回避やクリアランスの形がうまく行っていたように見えました。もともと監督はゴレイロをされていましたが、攻撃に関しては、どうやって研究をしている?

山田監督「相手によって変わります。大阪はファーストディフェンスのプレッシャーが高いので、後ろでパス交換をするのはリスクもあったのですが、そこは背後のスペース、ピヴォ当てなども使っていこうと。後半については、精神的なこともあり"下がった"部分があった。リスクコントロールでポゼッションをせずに前に蹴って守って満足したところがあったかなと・・・」

―(大阪の)比嘉監督とは一緒にプレーも?

山田監督「名古屋オーシャンズで一緒で、デウソン神戸でも監督と選手の付き合いでした。日系人として、自分のモデルとなる選手だと思いました。ブラジル人なんですけど、日本に帰化してからも、ブラジルのことも忘れず、日本人のことも尊敬してつながっていくメンタリティ。行動も素晴らしいですし、色んな意味でこういう選手になりたいと思える選手でした」

―山田監督から見た、比嘉監督のフットサルの特徴は?

山田監督「彼は(選手時代)ゲームメーカーで視野が広く、インテリジェンスのある選手でした。チームメイトからも『この人は引退したらすぐ監督になるのでは?』と言われていた。セットプレーもすぐに覚えたり。名古屋(館山マリオ監督)時代はセットプレーがすごく多くて、全部覚えているのは数人だけだったけれど、その中のひとりが比嘉さんでした。数が半端なくて、週1個増えるような感じだった。サッポ(当時のフットサル日本代表監督)が練習に来るとなったら『新しいセットプレーは"サッポ"』と新しくつくるような感じでした(笑)。比嘉さんはまずインテリジェンスがある。そして熱いし、フェア。熱くなる時もあるけれど、彼の心を知れば、ちゃんと話ができる人だと気づくと思います」

―PKを取られた、"ワンプレー"について。あそこはキーパーとしては行くのは仕方がなかった?

山田監督「2つの判断なんですけど、背中を出した(向けた)から、そこに対しては行かなくてもいいという判断もあります。田中選手はおそらくスライディングしながらシュートとパスの両方を防ごうとした。先にボールに触れる自信があって、実際に先にボールに触れた。だからファウルじゃないと思ったと思う。あれだけ(試合中シュートを)止めてくれたので、彼のせいにはできません。攻撃、良いカウンターもつくっていました。チームで負けた。府中の監督になってから半年もたってないし、サテライト(の監督)と比べたら全然プレッシャーも違います。負けた時は誰かのせいじゃない。監督のせい。十分準備ができていない。修正がかけれていない。選手はよくカバーしてくれている。だからこそ、今日は勝利で帰りたかった」

―監督の経験は?サテライトで何年ぐらい?

山田監督「サテライトで4年ぐらい。でもその前にコーチ経験はありましたし、府中を引退してからコーチ経験が始まったわけではありません。日本に来る前、ブラジルでも監督をしたことがあります。もちろん、いま(トップチーム)と比べれば全然違いますが。トップチームのプレッシャーは全然違います(笑)」

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