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篠田龍馬を抑えて名古屋のゴールを任されたGK田淵広史が意識していることとは

 プレーオフ決勝という大舞台で、名古屋オーシャンズのフエンテス監督がゴールマウスを任せたのは、チームキャプテンのGK篠田龍馬ではなく、今シーズン、Y.S.C.C.横浜から復帰したGK田淵広史だった。

 リーグ戦では、両者がほとんど同じだけの先発出場の機会を与えられていたが、上位との試合などでは、やや篠田が起用されている印象だった。それだけにプレーオフ決勝は、篠田がゴールマウスを預かると予想していたが、いざ試合が始まれば、田淵はなぜ自分が選ばれたかを示すようなプレーを見せた。

 対戦相手の元日本代表FP皆本晃が「入ったと思うようなシュートも何本も止められた」というセービング能力もそうだが、大舞台での緊張や物怖じする様子は微塵も見せない。第2戦ではパワープレー返しも決めて、得点者の欄に自分の名前まで刻み込んだ。

 プレーオフ第2戦と第3戦の間には、タイ遠征を行う日本代表メンバーが発表され、初めてフル代表にも名を連ねることとなった。シーズン終盤のバサジィ大分戦では、流れのなかからフィールドプレーヤー顔負けのボレーシュートを叩き込むなど、今、乗りに乗っているGKは、第3戦での活躍も力強く誓っていた。

プレーオフ決勝第2戦後のGK 田淵広史のコメント

――2試合連続でフル出場しています。プレーオフ決勝の舞台を任されたことはどう感じている?

田淵 責任ある舞台を任せてくれて、プレッシャーは全く感じていませんが、出ていない選手の分は本当に頑張らないといけない。篠田選手の分はもちろんですけど、水谷選手の分も頑張らないといけないと思っています。

――名古屋の選手たちは口々に「守備が大事」という話をしているが?

田淵 僕はずっとフエンテス監督のやり方を分かっていました。2年前にトップチームに参加させてもらった時に、日々の練習から感じていましたし、(横浜から)帰ってきた時も、こういうところで失敗が出たら自分が助けないといけないと、自分のなかでわかってきました。集中力を切らさずに保つこと、どういう声掛けをしなければいけないか。自分のなかでそういうのがあって、今日の守備になったと思います。

――パワープレー返しも相手の圧があるなかで、うまく決めましたね。

田淵 パワープレー返しはいつも起こりえることなので、自分のなかでは、まずあそこで取ったら決めないといけないと思っていました。昨日も一回、左足で蹴るチャンスがありましたが力が足りなくて決められなかったので、今日はしっかり止めてから決めきることを考えていました。今日は決められて良かったです。

――篠田選手はどういう声掛けをベンチからしてくれている?

田淵 本当に僕に声をかけてくれますし、4秒のカウントもしてくれるので、自分のなかで助かっています。ピッチ外のところでも、「落ち着いて」とか言ってくれて、自分のなかでは落ち着けます。ベンチのサポートもそうですし、スタッフのところ、GKコーチも、声をかけてくれて落ち着いてプレーできます。落ち着いてプレーできるのは、自分の特徴ですが、さらに落ち着いてプレーできていると思います。

――リーグ戦はほぼ半分くらいの出場だったが、1戦目、2戦目と任されているのは、どういうところが評価されたと感じている?

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