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感想文「永遠市」

amazarashiのニューアルバム、「永遠市」について、各楽曲について思うことを書いていきます。つらつらと。

「インヒューマンエンパシー」
人間として生きる幸福と不幸は、光が照らせば影が救うような相対的なもんで、どちらかだけを取ることはならない、逃れられないもんだって気持ちになった。
ざらしのアルバムの一発目って大体どん底な曲が多い気がする。始まりは最低。性悪説。そんな言葉が頭をよぎる。

「下を向いて歩こう」
友達が「上を向いて歩こう」のパロディで、ゆったりしたバラードでもやるのかと思ったと言ってて面白かった。
「太陽でも照らせはしない」そうだよなぁ、俺たちはそんなだよな。
暗くあることを、もういっそ誇って笑っちゃおうね。

「アンチノミー」
主題歌として、歌詞がとっても作品に寄り添っている気がするので、僕の感想が入る余地があまりない。ニアあんま知らないし。
やっぱ間奏で「コワレタ_ヨルハ」って言ってるよね?

「ごめんねオデッセイ」
個人的にアルバムの中で一番好き。運転しながら秋田さんに合わせて一緒に歌ってたら、あまりの言葉数の多さにてんやわんやになって事故りかけた。
昔ラジオで「インターステラーが好き」って言ってたのが歌詞に反映されてて萌えた。

「君はまだ夏を知らない」
2番目に好き。すごく「誰かに向かって歌ってる」感じがある。歌詞が優しい。秋田さん子供でも出来たんか?
あるいは本アルバムのコンセプトイメージ(だと思ってる)の、「時空を超えた宇宙」的な、すずめの戸締まりみたいに、常世の世界で幼い時の自分に出会っている感じなのだろうか。

「自由に向かって逃げろ」
荒野を突っ走る列車に乗せられたような疾走感。青春の冒険で出発じゃい!みたいな。聴いてて元気になる。

「スワイプ」
禍々しい。「village」はすごい映画だったな。
誰しもが孕む悪意を、表に少しでも出したやつだけが悪人になっていく。骨を捻り折って臍から腑を引き摺り出しても飽き足らない怒りとやるせなさ。
野次馬たちに叫んでやりたい「鏡見たことないのか?」って。

「俯きヶ丘」
まだ心の中で咀嚼しているので、感想らしい感想は無い。
まだまだ俺にとってはこれは叙事詩だ。

「カシオピア係留所」
夜の田圃道で満点の星空の下、歌い上げたい一曲。
スターライトの世界とも繋がっているような、秋田さんのファンタジック世界観の心地よさと痛みが身体中に広がる。

「超新星」
切迫している。次の小節を歌う前にもしかしたら死んでしまうかもって感じで歌っているような気がする。
しかし今回の曲たちは韻がすごいしっかりしてるな。秋田さん、ラップに目覚めたんじゃないか…?

「クレプトマニア」
3番目に好きな曲。「後期衝動」とどっこいか、あるいはこっちの方が感情が丸裸かもしれない。言葉が音とリズムにバッチバチにはまりこんでいるので、歌ってみるとありえんくらい気持ちいい。

「ディザスター」
これもまだ理解しきれてない。曲調はとても好き。

「まっさら」
イントロのギターのあんまァ〜い音で一気にほっとする。
秋田さんはアルバムの最後は、必ずこういう優しい曲で締めてくれるから好きである。沈む夕日を一緒に見て、「今日も終わっちゃうね」って隣で笑ってくれるような。
そうだな、終わっちゃった。
特に何も出来なかったけど、明日は明日でしんどいだろうけど。まぁいいか。そんなすぐには何か出来るわけじゃないよ。創作じゃあるまいし。
人生を進めるには、けっこう時間がかかるんだ。


以上。勝手な感想でした。

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