『Break All (Remix)feat. テークエム, KennyDoes』KEN THE 390

 KENさんかっけえわ。

 梅田サイファーの切り込み隊長テークエムと、凄腕家電セールスマン(違う)KennyDoesを引き連れてBreak Allをリミックス。梅田のラッパー、総じてスキルえぐいけど、テークさんが今回もぶちかましている。

[ テークエム]
病んでるM Comin’ at ya 天下一ILLER
ぶち込む前に最初はベロで絶対にイカす
サイズはXXM規格 指図は受けない 破竹の勢い
思えば2020は瞬く間 乗っかったBigflow パナマ運河
これはハードパンチの撃ち合い ララパルーザ
任侠立ち花山 まだやるかい?
俺。風に乗ってる! 六甲下ろし
破壊的 like ロンドンコーリン
包丁研ぎ ヘイター一族殺し
頭イッてる like 東京五輪
壊す常識 外す帳尻
シーンはドン引き 毎度おおきに
雑魚は俺を末代まで祟る
バランスブレイカーまるで
ナーフ前のサガット

 いきなり人間発電所のサンプリングをぶちかましてくる。HEADSHOT pt.2もそうだったけど、弾丸のように畳みかけて、下ネタもぶちかますショットガンですわ。梅田サイファーの曲は大抵テークエムが先鋒を務めることが多いが、今回も初っ端から喰らいました。『俺。風に乗ってる! 六甲下ろし』とか、『シーンはドン引き 毎度おおきに』とか、梅田を意識してるのも好き。一番好きなのは『頭イッてる like 東京五輪』。いやー、素晴らしい世相反映といいますか、インテリのHIPHOPって本当刺し方が好きなんですよね。(確かテークさんは大学院出てる)そして最後はpekoのサンプリングで〆。最後まで梅田たっぷり。

[KennyDoes]
あこがれてたあのラップスター
画面越しに見て向かった
Notorious 歩道橋の輪っか
高3の夏からtopまでcan`t stop
そん中で見んくなったやつも結構いるし
辞めとけとよく話してくれたけれど作戦決行
白い目だってひっくり返すオセロ
一気に変わってくことなんてひとつも
無いから行動 ラップで coast 2 coast
FANTASTIC WORLD聞いてカタルシスと覚悟感じた
ガキもデカくなって壁をBreak All
この16bars は big pay back だぜ
気づけば伊達メガネでワッツジェネレーション
に出てたやつが今 全部超えて ステージに立ってる

 梅田サイファーの曲でもそうなんだけど、トラックにハメてくるラッパーの中にKennyDoesのズラしてハメるフロウが入ると、それだけで曲に締まりが出てくる。どうしても一曲を数人で回してると単調になってしまったりするものだ。ラップオタクはリリックをガン見するので関係ないが、初心者には少し退屈に感じる可能性もある。KennyDoesのフロウは唯一無二だ。マンネリを打開する。もしかしたら梅田で一番ラップが上手いのはこの方なのかもしれない。

[KEN THE 390]
いくら見た目だけよくても所詮メッキ
自ら投げ出した 厚生年金
薔薇色の未来は 当然daydream
冬の時代こえる 皇帝ペンギン
挑戦的に要件定義
全てが変わる 今 午前0時
どっかのコピーとか 海賊版
じゃあ面白くないもんな (got’em)
何もないとこがスタート やめな無理と言ったcloud
それが今じゃlook あの日のらしくないがスタンダード
ありふれてるヒストリーより 人一倍ひつこい思い
準備万端いつでもこい 狙ってんのは三つ星のみ Get it
現状が 天井でも Break all
成功しても 転倒しても 炎上しても 無礼講
レイムな気持ち減点対象 吹き飛ばした懸念材料
4回戦を経てのチャンピオン we’re all ready

 梅田の2人があれだけぶちかましたら普通喰われる。前半は穏やかだが、後半から一気にまくってきて、ああ、やっぱりこれはKEN THE 390の曲だってなるのは流石としか言いようがない。あとやっぱりイケメン。

 Creepyも言っていたが、KENさんは若手の面倒見がよく、いつもフックアップしている印象がある。今回フックアップされた、精鋭ぞろいの梅田でも特に尖った2人、もっと売れていって日本語ラップを繁栄させてほしい。

明日のご飯が美味しくなります