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美しいもの ③ 2022.6~2022.

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自然や生きものの素晴らしさ、美しさ 身の周りの出来事や感情 つい見逃してしまいそうなものにも、沢山の美しさが隠れている。そんな原石の光のようなものを集めました。
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記事一覧

美しいもの 眼(め)

一つの ものの中に 何を観るか 丘の上に立つ 一本の木 ただそこに在るということ 風雪に耐え 長い年月に逆らわず 四季とともに変化する その中に そよぐ風に 花の香を感じる時もあるだろう 天の星を取りに 大きく手をのばしていくこともあるだろう 月明かりに照らされた自身の影に その成長を見ることもあるだろう 満天の星の美しさに 感嘆の声をあげることもあるだろう 人には聞こえぬ声 想い 私は 本質を見抜く眼 がほしい そしてそこに 喜びを ユーモアを み

美しいもの キセキ

出会いも あの人の 手の温かさも あなたの 笑顔も ながす 涙も チョコのほろ苦さに 頬がゆるむのも 本の中で見つけた 一つの言葉も 風が 花を散らすのも 糸のように ふり続く雨も のびやかに 流れゆく雲も 飛びたつ鳥の 羽音も 木の間にさす 日の光も 悲しみさそう 夕日も 季節が 色を変えていくのも すべてが キセキ なのです 私たちは日々 奇跡の中で 生きている

美しいもの

美しいものは そこにある 世界中にある 自然の中にある 生き物の中にある 人々の中にある 愛の中にある 光 影 流れゆく時 しぐさ ことば 余白 詩 いろ 音 ゆれる心 悲しみ やさしさ ユーモア すべてが美しい すべては 自分の中にある この地球は 美しいものの かたまりなのです

美しいもの 出会い

一編の 美しい詩と 出会う 胸から あふれ出すように よろこびが 重なっていく 生きる ということ 生きてきた ということ そしてこれからも 生きていく ということ それは 自分の中の 泉から 祈りや 願いを 愛や 慈悲のこころを くみだして いくということ

美しいもの 小径(こみち)

山裾から  ひっそりとした小径へと入っていく そこは 幼い記憶へと通じるみち 木々が生い茂り  日陰の心地よさを味わいながら さらに 奥へと進んでいく 少女の私と 友が一緒に  木陰から飛び出してきた 「この道 どこまで続いているのかな」 「この峠を 越えると 隣町だよ」 「あの岩にのぼると 町が見えるんだよ」 恐れも知らずに  ズンズン進んでいく 木陰から 日向へ そしてまた木陰へ 小さなこころが  ドキドキしながら 進んでいく 毎日が 小さ

美しいもの 夏空

ぬけるような 青い空 蝉の声 ザ・夏 ふと 遠くにいってしまった自分に再会する あの頃は どんな空を見ていたのかな どんな風に吹かれていたのか 少女の自分が  空を見上げて立っている 遠く高く青い空を 澄んだ瞳で見つめている 「おーい」 そんな友の声に 我にかえる どこまでも続く大きな空 流れゆく雲 あの頃の 世界の大きさ どこまでも走っていける感覚 まじりっけのない 心の自由さを  私はいつまでも持っていたい

美しいもの 歌う小鳥

可愛いさえずり ピンとはった空気の中 風に乗り まっすぐに のびていく ほこらしげに 鳴く姿 木々や 花々も 微笑みながら ゆれている 小枝から 小枝へ リズムをきざむように チチチチ  スィッスィッ  チチチチ  ツツツツ 楽しげに 仲間に 呼びかける 遠くから こだまのように 呼応する 「ここにいるよ」 「そっちの様子はどお?」 青空の下 木々 花々 風 小鳥の歌声が  一つになり よろこびの世界を つくりだす

美しいもの ツバメ

肩先を つらぬくように 空を切っていく 夏空を見上げると 低く 高く 風にのり 飛ぶ すがた 一寸の 迷いもない いつしか 背の汗も 引くように 涼感と 時の流れに 粋を くわえてくれる

美しいもの 純白

野に咲く 白い花のように 汚れるのを やめよう 雨水にあらわれ その純白を とりもどすように わたしも 涙を流して 白いこころを とりもどす

美しいもの 雨上がり

雨が 上がった スッキリした空気  七色に輝く雨粒たち 心の中を 洗い流すように 大地が 山々が 花々が 水を得て 一斉に輝きだす  一面 光の屈折で 違う世界をつくりだす 瞬間の再生 新しいエネルギーが ひかりを増していく 白い光 ピンクの光 グリーンの光 多色が交差しはじめる 地球からの恩恵に  すべての生き物が  喜びの声を あげていく

美しいもの 翡翠の山々

薄霧うもれる その中に 豊かな 顔をもち ゆったり 笑う山々 木々と木々が 重なりあい どこまでも つらなりあっていく 深い 翡翠色をした その存在は 人々や いきものを魅了し 懐に 命を 抱いていく 太陽に輝きを 得 月に 姿をかくし 人には 知られぬよう 存在を増していく ひっそりと  その力を エネルギーを たくわえながら 悠然と ただそこに 在る