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奇跡の双子【子育て】


「奇跡の双子」


ある人から言われた言葉です。
日々過ごしているとついつい忘れてしまうのですが、息子たちが今生きているのは、本当に奇跡なんですよね。

今回は妊娠中の話を少し。
決して順調な妊婦生活ではなかったので、不安を煽るような記事になってしまうかもしれません。読みたくない方はバックしてくださいね。


私は一卵性双生児(MD双胎)の母です。
MD双胎はそれぞれ羊膜で覆われた別のお部屋にいながら、ひとつの胎盤を共有しています。
色んなリスクがありながらも、妊娠5ヶ月に入り、ないと頭では分かっていながらも、いわゆる「安定期」という言葉にどこかでホッとしていました。

そんな時、定期受診で「一方の胎児の成長が悪い」「二人の成長に差が出てきている」と指摘されました。
TTTS(双胎間輸血症候群)の可能性があるとのことでした。
これは、胎盤から得る血液量に差が出ることで、一方は栄養不足、一方は体への負担が大きくなりすぎるというものです。


そこからは文字通りバタバタ。
翌日には大きな総合病院へ。
そこでもうちでは見れないと言われ、さらにその翌日には他の病院へ。
やっと診てもらえたと思ったら、Selective IUGR(双胎一児発育不全)と診断され、「次の定期受診(1週間後)までに亡くなる可能性が高い」と言われました。
その翌日に入院、その翌日にFLPという手術を受けました。


Selective IUGRはTTTSに似た状態ですが、TTTSの基準に満たない状態です。羊水の量でどちらに分類されるかの違いです。
TTTSやSelective IUGRは、MD双胎の約10%に起こるそうです。無治療では胎児の救命は困難。二人とも生まれる確率は約75%。
治療法としてはいくつかありますが、根本的な治療であるFLP(胎児鏡下レーザー凝固術)は全国でも10くらいの施設でしか受けられない治療です。
中絶という選択肢もあります。

私たちもすごくすごく迷いました。
人前であんなにぼろぼろに泣いたことないってくらい泣きました。
目の前が真っ暗ってほんとにあるんやな、とぼーっとしながらも感じた記憶があります。

それでも、FLPを受けることにしました。
予後がどうなるかは正直一種の賭けでした。でも、私には彼らを見殺しにすることができませんでした。

入院は2週間程度。FLPは成功し、子どもたちの膀胱が機能している(=体の循環が機能している)ことを確認して退院しました。


その後27週に出血して入院になりました。
入院後すぐに破水と陣痛も始まりました。点滴でフラフラになりながらも耐えました(これが死ぬほどつらかった・・・)。
結局妊娠28週のとき、胎児の心拍が下がったために全身麻酔での緊急帝王切開となりました。

子どもたちは1000g未満の超低出生体重児。すぐに挿管されNICUへ。
先生が全身麻酔から起こしてくれましたが、私はずっと「ごめんね、ごめんね」とうわ言のように言っていたようです。あんまり記憶がない。
夫が生まれてすぐの写真を撮っていてくれましたが、私は今でもそれを見れないでいます。


ここからはNICUでの長い長い闘いが始まりました。
それはまたいつか。
決して楽しい話ではないけれど、私自身の記録も兼ねて。


TTTS(双胎間輸血症候群)Selective IUGR(双胎一児発育不全)
FLP(胎児鏡下レーザー凝固術)
など、専門的な病気や治療については、下記のリンクをご覧くださいね。
私の経験で良ければお話もしますので、お気軽に聞いてください。


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