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絵事常々 -試作の着彩 +α-

4種の和紙、試作が終わりましたが
プラスアルファでもうすこし手を加えました。



前回お話ししていた4枚目の試作品に金泥を入れてみようということで。
金泥さんの登場です。

焼き付けているものがあるのでそれを使います。
こしらえておくと非常に楽です。


左の小皿が焼き付けておいた金泥。
右の中皿が筆洗いなどで使って、乾かした2次利用的金泥。

消粉けしふんを膠水で練り、焼き付けておけばいつでも使える金泥さんなのです。
少し手間ですが、だばだばと使うことはあまりないので
作りおくとサッと使えてとても良い。
勿論、既に焼き付けてあるものも売られております。

この金泥焼き付け、ウデが結果に出やすいもので…
ものすごくウマイ人がこしらえた金泥はピカピカに光ります。


さて、手間暇と消粉のお値段を考えると丁重に使いたい金泥さん。

極力、小皿の焼き付けた金泥に水を含ませたくない。


思っていた以上に筆で金泥をとってしまったり、
イイ感じに焼き付いている金泥に水気を加えすぎたくなかったり。


というわけで、筆洗い用の絵皿に水を少し。

その水を筆に含ませ、ついでにこの絵皿についている金泥もまとわせた上で
先の小皿の焼き付け金泥をすくいます。
描き終わって筆を洗うのもこの絵皿で行います。

金泥を入れていきます。
どこに入れるかは、描きながら「ここ!」と思ったところ。


結局、けっこう金泥線を入れました。
髪とかグルグルの渦とか色々。


そんなこんなで完成品がこちらです。

完成品
金泥を入れる前


金が入って黒がやわらぎ、エレガントな人になりました。
髪の毛部分の岩黒も好きでしたが、ちょっと金泥で線を描き入れてみたら

線を描くのが楽しくて。


(黒に金はやはり映える…!)と、
気が付いたら結構描き入れていたパターンです。

『金を使わずに「金色」を表現するのが画家だ』と仰った西洋の画家さんがいらしたようですが、
金箔・金泥を目の当たりにすると「この存在感!」と感服しながら使っちゃいます。黄金の国ジパング感。


とまぁ、完成しました4つ。

せっかくなので落款を入れて遊びます。


落款を押すのはタテ画面の2枚。
(ヨコ画面2枚は手書きで入れまして、そこまで話すこともないので割愛)

いつも落款を押さないのですが、
簡単な手製の消しゴム判子や、前職の同僚が作ってくれた木彫りのものなど
なんやかんや幾つか持っておるんです。


さて。

自前の消しゴム判子。位置決め用の紙を置いて検討中。
(画像が暗くてすみません)


えいや。と押します。
この丸型の消しゴム判子、「み」と三日月みたいなデザインで気に入っております。
前職辞めてのんびりしていた時に作りました。


続いてもう一つ。

右上から同僚さんの縦長判子、続いて手製の消しゴム判子2種。
右下がこれまた同僚さんの判子。
この同僚さん、器用を通り越して若干マシン感のある人です。


遊んで押して、マナーも意味もあったものではありませんので真似はしないでください。


「遊んでるよ」、という主張を込めて
右上の手製判子は斜めに押したり重ねたりしてますのでご容赦ください。
しかし、消しゴム判子はやはり「のぺっとした」印影になりますね。


こうしてひと段落した試作4種。
いつまでもパネル張りのままでは場所ふさぎですので切り取ります。

すっきり。




思ったより手数多く塗ったものがあったり、
ドーサの効きがイマイチだったりしましたが
楽しくかけた試作たちでした。

GW。

まだまだ休みが続きます。


休みの内に本命の「群盲評象」の紙を下ごしらえしながら
試作4種の紙のまとめもやり切ってしまいたいと思います。


それでは今回も読んで頂きありがとうございました。
また次回の投稿で。



おまけ

金泥・金箔はやはりゴージャス。
先日の本願寺さんのまとめも連休中にできたら良いなぁと思いつつ。


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