【辰】龍尽くしカレンダー4月・春の龍
いよいよ4月、
1年の3分の1が過ぎようとしています(嘘のような本当の話)。
びっくりしますね。
さて、そんな4月もやはり月イチで龍を紹介していく人。
今月は春も盛りということで「青龍」さんの登場です。
これまでの龍はこちら ↓↓
4月のテーマ「青龍」
あら、春色。
①左上:双龍文環頭大刀柄頭/愛知県猪ノ洞古墳、6世紀
②右上:単龍環頭柄頭/大阪府海北塚古墳、6世紀
③中央:青龍/北朝鮮江西大墓古墳東壁、6末~7世紀初
④下:青龍/奈良県キトラ古墳東壁、7末~8世紀初
環頭柄頭とは、大刀の持ち手につけられる装飾ですね。
上部に2つ環頭柄頭の龍を配置したのは
メインの青龍と同様に大陸由来のものだからです。
この環頭大刀の龍に熱い視線を注いでいる人は結構いらっしゃる印象で
実用的な時代の精巧なものから
儀礼的で大ぶりかつ抽象化されたデザインとなるその変遷が
わかりやすく面白いからかなぁ。
以下は「文化遺産オンライン」の猪ノ洞古墳、双龍文環頭大刀柄頭の説明文ですが、なかなか直截な表現でじわじわきます。
さて、メインは青龍です。
かの偉大な五行思想いわく、春は「木」に属す時節。
同じく木に属するもの、色は「青・緑」、方角は「東」、
生き物は「鱗をもつもの」。
よって「鱗虫の長」である「龍」が春や東にあたる霊獣となり、『青龍』と呼ばれるわけです。
「青春」と同じですね。
五行説が盛んになるとともに、
青龍・朱雀・白虎・玄武の四神守護の考えも普及し
日本には銅鏡などに描かれた図像で伝わってきます。
四神は戦の布陣や土地選びの際にも用いられ
平城京や平安京も「四神相応の地」であることが選定の1つの材料。
このように治世と密接に関わる四神。
権力者の死後の住処である古墳にも壁画として描かれていきます。
それが高句麗の江西大墓であり、
高松塚古墳やキトラ古墳であるという流れですね。
高松塚とキトラは「双子古墳」といわれるほど
つくられた時期や壁画の図像に共通項が多く、
今回参考にしましたキトラの「推定復元図」も
欠損部分を高松塚古墳の青龍の痕跡で補うようにして作成されたようです。
高松塚とキトラ古墳の発掘作業にまで話を広げるとまた長くなりますので
話を青龍に戻しまして
龍は鱗をもつ生物の長であり、地を這うものを統べる神獣だったわけです。
よって、だいたい皆さん元気よく立派な四つ脚をお持ちです。
そのたくましい脚で地に立ち、胸をはって走狗!
加えて、その牙はするどく上下に生え、
上唇はめくれあがり
ツノは柔和にたなびくかのよう!
いやぁ、神仙味あふるる図像!たまりませんね!
(今回はノリで雲を描いちゃいましたが)
現代の雲龍図とはだいぶ違う印象を与えてくれます。
そして首にはもちろん何かが巻かれているのですよ…
ここで先月に興奮して話していたムシュフシュの
ツノとか首の何かを思い出すのは私だけではないはずです!
ドキドキが止まりません。
と、今回も最後までお付き合い下さいまして、ありがとうございます。
調べれば調べるほど胸ときめくポイントがたくさん出てきましてね、
やはり龍は沼ですねぇ。
今回も五行思想から「黄龍」と「青龍」に興味が向いてしまって
(黄龍は五行思想で土や中央に属するものです)
むかしむかし「双龍」という2匹の龍が絡み合うデザインが多かったのって
もしやこの黄龍・青龍なんだろうか…とか考え出すと…
このまま調べると本業に差し障りがありそうなので、
とりあえずストップをかけてみました。
ちょうどお次は5月。
なんの因果かもともと「双子座だから双龍にしーよっと」という軽いノリで
双龍を予定していましたので、そちらに座を設けます。
どうぞ来月もお楽しみに!
おまけ
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