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旅の断片@ひろしま

 今週月曜日の朝、駅弁を買って新幹線に乗り込んだ。いつもと違ってこの日は西へと向かった。一度は行ってみなければと思っていた広島に訪れることになったのは、夫が永年勤続加入者直営施設利用優待券という長ったらしいけどありがたい金券を頂いたから。使用期限が迫ってきて、夫の気まぐれに付き合うことになったのだ。13年目の3・11、息子のことで色々あった13年であったなと、振り返りながら。


この日は曇り空 静かに佇む残骸


消えずの霊火



曇り空 白いしぶきを眺める



薄らと陽が差した



原爆資料館



暗闇に浮かぶ雲


真っ黒



真っ赤



多くの観衆 多くの死者の証



痕跡



残骸



日常へ帰るための時間



疲れた背中が語ることは…

暗い展示スペースの中で多くの人影、だけど話し声は微かなものしか聞こえてこない。時折光に浮かぶ観衆の表情は堅く険しい。私はといえば、悲惨なものを目にしているのだけれど、心が全く動かない。虚しさ怒り悲しみ…予想していた感情はやってこない、なぜ?どうして?と自問自答しながら順を追って観ていった。最後の展示を観終え明るい廊下に出た瞬間、胸が詰まり瞼の中に涙が充満した。必死に目に力を込めて、ゆっくり周りを見回すと、多くの人が、疲れた背中をしている。壁際のベンチに座り込んでいる姿が並ぶ、物思いに耽っているのか、放心しているのか、、、。一見無駄に思えたこの長い廊下があってよかった、、、そう思って大きな窓から平和公園を見下ろした。


 外国からの訪問者が多いな、、、以前シンガポールの博物館で、戦時中に日本がしていたことを目の当たりにした時の事を思い出した。



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