外国人アルバイトの現状と僕が起業する訳
深夜に近所のコンビニに行くと、若いベトナム人の女性が一生懸命働いています。彼女は大体自分と同じくらいの年齢で、日本語は流暢。
可愛い笑顔と良い接客に好感を覚える一方で、なぜ毎日のように彼女は働かなくてはいけないのか。顔を合わしているうちに彼女が
「どういう目的で日本にいるのか」
「日中は何をしているのか」
とても気になるようになったので、色々調べてみることにしました。
まずは概要から。
移民が多い国と言えば「アメリカ」「ドイツ」。
日本は昔から移民政策には否定的ですので、在日外国人は世界的に見て少ないです。
なんてことはまるでありません。
驚くことに日本は世界第4位の移民大国で、
128万人もの在日外国人がいます。
増加要因は主に「雇用情勢の改善」「技能実習制度の充実」「政府の推進」です。
(出典:厚労省 https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000192073.html)
少子高齢化で労働力不足が見込まれる日本において、近年政府は海外からの人材獲得を図っています。
政府は移民政策を行なっていないと主張していますが、「単純労働」以外の労働力を全て受け入れるスタンスを先日の出入国管理法改正にて示しました。
善悪はありますが、あえてここでは触れません。
日本にいる外国人は「技能実習生」「専門的・技術的分野の残留資格者」「資格外活動者」「身分に基づく残留資格者」に大別されます。
今日は「資格外活動者」について触れていきたいと思います。資格外活動者は現在国内に30万人います。その多くはベトナム、中国、ネパールから来ていて、特に近年増えているのがベトナム人の留学生です。
(出典:厚労省 https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000192073.html)
近年ベトナムでは経済発展と日系企業の参入に伴い日本への留学ブームが起きており、この数年で日本語学校が複数増設されました。
彼等が日本に留学するには日本留学試験(EJU)を突破する必要があります。EJUは外国語(日本語又は英語)、数学、理科、総合の4科目で構成され、数学ではセンター試験を優に超える難易度の問題も出題されるほどです。
日本への留学を志す学生はベトナムの中で比較的裕福な家庭の出身であることが多く、幼少期からしっかりとした教育を受けたことで海外に目を向ける人が多いのでしょう。
そんな彼等を狙うのが悪徳な留学斡旋業者。
平均月収が2万円のベトナムにおいて留学費用、準備代として100万円を搾り取る有様です。
悪徳業者の「日本で働けば返せる」という甘いささやきを信じた留学生を待っているのは日本での厳しい現実です。
そもそも法律で週28時間しか留学生は働けません。
また短時間で多くを稼ぎたい本音があるのにも関わらず、留学生が高時給なバイトへアクセスするのは大変難しい。“Japan part time job” “baito” “Japan Job” などのキーワードで検索して見たところ外国人用の職業斡旋サイトはわずか。
さらにそれらのサイトに掲載されているの飲食業の接客や施設の清掃など。高々1200円の時給で週28時間働いたとしても、生活費や学費はまかなえません。
もちろん飲食業や清掃業は立派な職業です。現在飲食・宿泊サービスで働く56%は留学生バイトですし、日本は彼らの労働力に支えられています。
しかし大事なのは彼らが望んだ結果なのかどうか。「労働機会の不平等」が問題なのです。
スイスのビジネススクール「国際経営開発研究所(IMD)」によると日本の労働環境の魅力は世界で29位。高いかと思うか低いと思うかは人それぞれですが、今後海外から労働力を補わなくてはならない国としては良い結果ではありません。
生活に困窮したベトナム人の一部は週28時間以上の労働を費やせる違法な職場に勤めてしまったり、犯罪行為に身を染めてしまいます。
もしかしたら僕が毎晩顔を合わしているベトナム人のあの女の子も、大きな借金を背負いながら学費を稼いでいるのかもしれない。
何かがおかしい。ここからは私の怒りと今後の活動について。
日本が好きで、日本を選んでくれた彼らがなぜこのような環境に置かれなくはならないのか。
彼らは豊かな個性を持つ優秀な学生であり、単純労働だけではなくより高度な職場を求めている人も多くいるのではないか。
留学に対する正しい情報を得られれば彼らは悪徳業者の手を免れるのではないか。
上記に対する私のとるべき行動は
国籍、生い立ちにかかわらず、豊かな「個性」を持つ全ての人が正当な評価のもとで日本企業と働くための場を創る
であると考えました。
現在「Japanized」という組織を作っています。主な活動内容は、
・複数の言語に対応したホームページを作成し、多種多様な職種へのアクセスを作る。
・日本で働いてくれている外国人のコミュニティを作り、情報共有ができる場を作る。
・日本に留学したり、日本で働く上での正しい情報を発信する。
優秀なメンバーも着々と集まり、日々準備をしています。
この理念に共感してくれる方々、応援どうぞよろしくお願いします。
ご精読ありがとうございました。
用語紹介:
外国人技能実習制度:日本の技術を開発途上地域へ移転し、途上国の経済発展を担う人材を担う「人づくり」に寄与する制度
専門的・技術的分野の残留資格:「高度な専門的な職業」「大卒ホワイトカラー、技術者」「外国人特有又は特殊な能力等を活かした職業」に大別される、就労目的で在留が認められる資格
資格外活動:本来の在留資格の活動を阻害しない範囲内で報酬を受け取る活動
身分に基づく残留資格:「定住者」「永住者」「日本人の配偶者」など
参考文献:
https://toyokeizai.net/articles/-/222111
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000192073.html
https://www.shares.ai/lab/houmu/496612
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/foreignworkers/
プロフィール:
名前:中沢冬芽
1998年長野県長野市生まれ。東京大学法学部2年。医療団体Colonb'sの運営メンバーで100banchに入居中。信州大学と共同で心電図の解析ソフトを開発をしている。趣味はヴァイオリンと海外旅行。
twitter:https://twitter.com/toganakazawa
Japanized: https://japanized.jp/
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