冬里かぴ子

数年前にコミティアに出展した漫画「彼氏が落研」はじめ、「だいたい500字映画レビュー」…

冬里かぴ子

数年前にコミティアに出展した漫画「彼氏が落研」はじめ、「だいたい500字映画レビュー」、盆踊り感想漫画などをアップしていきます。

最近の記事

「ぼくの名前はズッキーニ」~だいたい500字映画レビュー~

ぼくの名前はズッキーニ [2016年スイス・フランス] 監督 クロード・バラス 脚本 セリーヌ・シアマ 時間 66分 一人ひとりの幸せを願わずにはいられない  上の画像を見てぎょっとした人もいるだろう。飛び出そうなほど丸くて大きい目、やけにカラフルな目元に真っ赤な鼻。キャラクター造形が独特過ぎて、観るのをためらうかもしれない。  しかし、いざ観始めると不思議と気にならなくなるのだ。それどころか、キャラクターと観る者の想像力が組み合わさり、実写よりもリアルに見えてくる。登場

    • 「草原の実験」~だいたい500字映画レビュー~

      草原の実験 [2014年 ロシア] 監督 アレクサンドル・コット 脚本 アレクサンドル・コット 出演 エレーナ・アン、ダニーラ・ラッソマーヒン 時間 96分 どの瞬間も美しく どこまでも続く草原、夕暮れ時の空のグラデーション、画面いっぱいに広がるキルトの花模様、そして美しい少女。映画館で観てから1年経った今でも脳裏にシーンが蘇り、ああ美しい映画だったなとため息をついてしまう。  ロシアの新鋭アレクサンドル・コットが、旧ソ連で起きた出来事にインスパイアされて作り上げた「草

      • 「僕たちの家に帰ろう」~だいたい500字映画レビュー~

        僕たちの家に帰ろう [2014年 中国] 監督 リー・ルイジュン 脚本 リー・ルイジュン 出演 タン・ロン、グオ・ソンタオ、バイ・ウェンシン他 時間 103分 広大で美しいシーンに浮かぶ“現実” 舞台は中国北西部の乾いた草原地帯。少数民族・ユグル族の幼い兄弟、バーテルとアディカーがラクダに乗り、遠く離れた両親の放牧地まで旅をする。お互いに複雑な思いを持っているが故に、ケンカしてばかりの2人だったが、困難な旅を共に乗り越えていく中で、少しずつ兄弟の関係が変わっていく。  

        • 「きっと、うまくいく」~だいたい500字映画レビュー~

          きっと、うまくいく [2009年インド] 監督 ラージクマール・ヒラニ 脚本 ラージクマール・ヒラニ他 出演 アーミル・カーン、R・マドハヴァン、シャルマン・ジョシ他 時間 170分 何度見ても涙が出る  インド映画と聞いて、「突然歌って踊り出すんでしょ?」「独特のノリについていけない」と言う人がいるかもしれない。だが、喜怒哀楽、娯楽のすべてを1つの作品に詰め込むインド映画には、計り知れない底力がある。世界的ヒット作が続々と生まれており、今、インド映画が熱いのだ。中でもこの

        「ぼくの名前はズッキーニ」~だいたい500字映画レビュー~