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音楽を"みんなで創る"

with9というバンドメンバー募集サイト、今はもうないようですが、かなり盛況だったと思います。当時バンドを組もうと思えば、①友達や知り合いの紹介、②ライブハウスやスタジオの壁にチラシで告知、③メンバー募集サイトで告知、の主に3パターンでした。

「どの手法が最適か」なんて話は結果論でしかないのでナンセンスですが、私の場合は③の手法、つまりwith9で出会ったバンドメンバーと偶然たまたま腐れ縁になりました。

とはいえ②③はやはり不確かな手法なので、それなりに実力と人脈が形成されたあとは①だけで充分になってくるようになります。あくまで「これから初めてバンドを組もう」というときの話でした。

さて表題に戻りまして、バンドというのは共同作業です。人間は手足があわせて4本しかありませんので、アンサンブル形成しようとすれば、そりゃ何人かで協力しなければなりません。PCのスペックもDAWの操作性も充分とは言えない時代で、DEMOテープは一発録りでなければ、MTRで重ね録りしていました。

バンドは「ボーカル以外変わっても一緒でしょ?」なんてことを冗談半分(もう半分は本気)で言われたりしますが、奏者側にまったくオリジナリティがないなんてことはありません。コンポーザーがコードと歌メロだけ持ち込んだDEMOにどう味付けしていくのかは、バンドならではの面白みです。あるいは、コンポーザーが、ある程度イメージを固めたDEMOを持ち込んだとしても、ある程度成熟したバンドであれば、新たな味付けができるものです。バンドというのは生き物ですから「方向性の違い」という言葉が出てくるのは、味付けの好みが変わってきたときに聞かれるようになります。

普段から醤油、味噌、塩、とんこつをバランスよく食べてるバンドが急に二郎系始めようととなったり、とんこつに拘り持ってやってきたのに海鮮系にも手を広げようとしたときに「方向性の違い」が顕在化します。

あまり自分の昔話の具体を書くのも憚られるので抽象的な話に終始してしまいましたが、「バンドで協働制作すること」は、サウンドクリエイターとしての知識・経験の幅を大きく広げることになりました。

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