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あの子のカメラは注目のまと

ㅤ人が行き交う道で、ひとりの男の子が懸命に写真を撮っていた。スマホではなくカメラで。その先に目を向けると小学生が描いたと思われる作品たちが並んでいた。

ㅤクレヨンで描かれた風神雷神図、大きなペンギン。名作を模した作品たちなのだろう。「青空展」と題されていた。今日のような晴れた日曜にぴったりだ。

ㅤふふ、いいもの見たなぁと思うと同時にふと気づいた。カメラを向けていたあの男の子がいなかったらわたしは絵に目を向けなかっただろうと。

ㅤ男の子が立ったり座ったりしながら一生懸命写真を撮る姿を見たから何があるんだろうと絵に目を向けた。誰も注目していなかったら絵の存在に気づくことはなかった。あの男の子が絵の前で写真を撮り続けたら一体どれだけ多くの視線を絵に集めることができるだろう?

ㅤ注目度は人を動かす。Twitterでも「いいね」「RT」が多く付いている投稿に手を止めた経験がある人は多いだろう。何万という人が注目しているなら何かおもしろいものがあるんだろうと思うからだ。

ㅤ逆に言えば注目度が低いとそのものの価値自体が低いと思われ、ないがしろにされやすい。本当は注目度と価値は相対的ではないけれど。まぁそれは置いておいて。

ㅤYouTubeの再生回数もSNSのフォロワーも。わかりやすい注目度は人の足を止め(スマホなら手を止め)さらに注目を集める力を持っている。

ㅤならば街の広告ポスターも注目度を見える化すれば視線を集められるんじゃ…?スマホのカメラのような顔認識システムをポスターにもつけて、ポスターに目を向けた人の数に応じてポスターが明るくなっていく。明るさじゃなくても一定の注目度を超えたら静止画が動画になるとか、注目度が数字化されるとかなんでもいいのだけど。

ㅤつまりYouTubeの再生回数みたいなものがポスターにもあったらおもしろいのになぁとあの男の子を見て思った。すでにそういうものがあったら教えてください!見てみたい!

#日記 #日常 #コラム #エッセイ #大学生 #発見 #広告 #ポスター #写真

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