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あなたも「ゴースト血管」かも?世界初、毛細血管テクノロジーで健康未病に挑戦するヘルスケアベンチャー!父の想いを受け継ぎ、テクノロジーの力で人々の健康を見守る。

「毛細血管はあなたの生活習慣を丸裸にします。」

健康のためにみなさんは何をしていますか?有酸素運動、ジム、食事療法、サプリメント、、etc。
それらが本当に「今の自分」に合った健康法なのでしょうか?

今回は毛細血管測定から、健康未病へ取り組むヘルスケアベンチャー、あっと株式会社(以下、「あっと」)のご紹介です。


ゴースト血管とは?

毛細血管で実は様々なことがわかる

血管には、動脈、静脈、細小動脈、毛細血管の4種類があります。毛細血管は、動脈・静脈の末梢が非常に細かく枝分かれし、網目状となってつながっている細い血管のことで、直径は8~20μm(赤血球がやっと通れるくらいの細さ)程度といわれています。
全身の血管の総長は、地球2周半分の約10万kmと言われていますが、その9割以上を毛細血管が占めています。
毛細血管は、動脈から運び込まれた酸素や栄養を組織内に送り、組織中から老廃物を受け取って、静脈へ送るという重要な役割を担っています。

毛細血管が衰えると、栄養や水分が血管の外に漏れ出たり血流が滞ったりして、血液が流れない「ゴースト血管」に。

人のいない街を「ゴーストタウン」というように、血液の流れない血管は、「ゴースト血管」と呼ばれています。ゴースト血管化すると、むくみや冷えなど、さまざまな体の不調の原因となります。
最大の原因は加齢ですが、高血圧や高血糖、脂質異常などが重なると、血管のゴースト化がさらに進み、ひいては動脈硬化を進行させることがわかっています。

そのため、毛細血管を元気にすることが、健康への第一歩といえます。

あっと株式会社の事業紹介

あっとは、「世界中の人の健康を見守る。」をミッションに掲げ、健康未病指標構築に取り組む研究開発型のディープテックヘルスケアスタートアップです。
FVCでは、2021年におおさか社会課題解決ファンドより投資をしています。

「健康な人を増やしていきたい。注意すること、気づくことによって、ならなかった病気になって亡くなる人を減らしたい。」

代表の武野氏が率いるあっとの製品「血管美人」は、武野氏の父である武野照男氏が開発したものです。照男氏はガンを発症しながらも、仕事をつづけ、さまざまな治療療法を試していましたが、その中で療法の効果を図る計測機器がないことに気づき、自ら機器開発に取り組みました。

武野氏はその父の遺志を受け継ぎ、あっとを設立、毛細血管の観察機器である「血管美人」を、現代のテクノロジーを取り入れさらに発展させ、数値化までできる機器の事業化を行っています。

毛細血管スコープ「血管美人」とは?

「血管美人」は、採血せずに簡単に、毛細血管の血流を観察できる装置です。
自分自身の体内の微細な変化を観ることで健康状態をチェックし、 生活習慣を見直すキッカケにすることができます。

『血管美人』は現在、主に薬局で導入されており、累計 1,400 台以上販売しています。薬局の店頭等で、主にカウンセリングのツールとして未病への気づき、改善効果の見える化などの用途で使用されています。
また、企業の研究部門等で製品の効能評価用としても使用されています。

毛細血管画像から計算機上で血管形状を自動測定できる人工知能技術を開発、非侵襲で体内状態の可視化・健康状態を評価する製品・システムサービスの事業化

あっとの技術は大阪大学医学系研究科との共同研究を通じて開発され、指先毛細血管画像解析人工知能(AI)として特許を取得しました。
従来技術では取得画像から手動・マニュアルで形状計測する必要がありましたが、あっとの技術により大量かつ瞬時の毛細血管データの分析が可能になり、国内の医学界での共同研究で利用されています。

あっと独自の特許技術

あっとは、毛細血管の分析ノウハウや画像の処理技術で特許を3つ取得し、理化学研究所との共同研究を行っています。

毛細血管画像36 項目を4秒で処理できる技術は現在世界の中でもあっと以外にありません。(あっと社調べ※)
この技術をさらに自動化・小型化・経時変化予測などをしていくことで、既存の研究テーマでも発表した論文の数が増えてきているという事実があります。

これまでもあっとは、大阪大学や理化学研究所、東北大学などとの共同研究によって多くのデータを蓄積しています。大手研究機関(理化学研究所、東北大学、慶應義塾大学、成育医療研究センターなど)とは生活者のバイタルデータを取得するビッグデータプロジェクトを複数進め、血管形状が具体的な生活習慣病(糖尿病)や慢性的な疾病(緑内障)の発症・疾病の状況と関連することを明らかにし、毛細血管形状が健康指標として活用できることを医学的な学会・論文で発表してきました。

※参考文献
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2023/10/press20231026-01-dr.html

注目されている毛細血管の領域で、パイオニアに

あっとは、多くの研究機関と共にさらにデータを増やしていき、毛細血管とその他疾患との関連性も導き出していく予定であり、この毛細血管の領域で、あっとがパイオニアとして牽引していきたいと考えています。
2025年には生活習慣未病リスク評価システムのリリースを予定しており、同年の大阪関西万博を通じ新健康指標“Capillary Function Index”を世界共通の社会課題である健康維持・高齢化に対応した日本初の国際指標として昇華させることを目指します。

「健康経営」プログラムとして大阪信用金庫にてテスト導入の実施

経済産業省より提唱されている「健康経営」。企業も従業員の健康のために様々な福利厚生を取り入れつつあります。

今回、あっとの提供する健康経営プログラムを、おおさか社会課題解決ファンドの出資者である大阪信用金庫がいち早くテスト導入を行い、2023年4月~2023年10月までの半年間で社員がどのような変化が起きたかを検証しました。

プログラム参加者は、69名。

説明会の様子

4月より、計7回の毛細血管の測定を行い、測定された毛細血管から自身の状態の把握を行います。
毛細血管から食事内容やストレス状態、睡眠不足など状態がわかり、その人にあった健康への「気づき」が得られること、またそこから行動変容が起こり、自分自身で考えてヘルスケアに向けた取り組みにつながっていくことを目的としています。

「血管美人」実施結果

■行動の変化について

行動変容については、参加者69名中、87%が健康について「気づき」を得られた、または何らかの取組を行うことを「意識」したと回答しています。
また、33%の参加者に至っては、「気づき」から実際の具体的行動に移したことも挙げられています。

参加者のコメント:
「健康への気づきが得られた」
「できないと思っていたが、変えてみる努力をします」
「これで(従来からしていた)取り組みに対し、健康増進へ工夫を追加で加えることができた」

など、4か月で参加者の意識へ「変化」が見られたことがわかります。

■毛細血管の変化について

毛細血管は、日々の生活で状態はどんどん変わります。
状態が良くなったという参加者は、全てが「気づき」を得て実際に''正確''な行動変容に移せたていたという結果となっています。

良くなった参加者の事例では、下記の写真のような変化が見られます。
この参加者は、運動する時間が取れないため、自宅の居間でもできる“足踏み”運動をこの期間続けていたということです。ちょっとした取り組みでも、自身の状態にあった正確な行動変容によってこのように毛細血管の状態が改善します。

血管の曲がりがとれ、濁りが少なくなり血管がはっきりと見えるようになりました。

変化なしの中には、日常の生活でなかなか自分自身の時間を持つことができない(子育て、介護など)、課題改善に食事対応を検討すべきだが、運動対応を強化してしまっているなど、課題に対して最適なアプローチができていなかったという事例がありました。
また、従来から健康状態が十分に管理されており、もともと毛細血管の状態がよかったという参加者も含まれています。

悪くなったという中には、健康意識が高いが故に日頃の健康増進の取り組みがあいにく負荷になってしまったという参加者が含まれていました。

健康未病への取り組みは、自身の状態を意識して把握し、日ごろから適切な行動をとることで、「ならなくてよかった病気」を防ぐことができます。
今回、半年間のテスト導入で、実際に自身の毛細血管の状態を見ることにより、多くの参加者の中で「気づき」を得ることができ、またどのような課題があるかを「意識」することができたという結果が得られています。
今後も、あっとは企業への健康経営への取り組みとして、この健康経営プログラムを展開していく予定です。

投資担当者のコメント

同社は社会保障費の増大という日本の社会課題解決を目指すインパクトスタートアップです。目指す課題の解決には、生活習慣病の予備軍に気づきを与えて生活習慣を見直す事で健康寿命を延ばすというアプローチが重要であり、同社の事業はまさにこのアプローチそのものであると考えています。代表者である武野氏自身の原体験も強く息づいた事業であり、代表者自身が強い事業意欲を持ち、周囲を巻き込み事業展開を進めている点を併せて高く評価しています。
未病対策に係る領域は、事業化が容易ではありませんが、日本だけではなく世界的にも必要不可欠な事業であり、ご縁を頂いているおおさか社会課題解決ファンドにて強く応援しております。
今後とも引き続きご支援させていただきます!

おおさか社会課題解決ファンドについて

大阪地域で社会課題の解決に取り組む企業の資本と経営の強化を支援することを目的として、大阪信用金庫とFVCが出資し設立したファンドです。日本政策金融公庫をはじめとする連携支援機関と協力し、ソーシャルインパクトの創出を支援します。当ファンドは、大阪府とファンドの活用促進に関する協定も締結しています。

https://www.fvc.co.jp/service/social_fund.html