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♡10年うつを乗り越える♡

うつは心の中に咲く花16 ~うつ、旅行けばぁーああ~

私の敬愛する西原理恵子先生の『パーマネント野ばら』という漫画には、人生の含蓄が満ち満ちています。その中の一シーンに、主人公が昔の不良仲間と山のふもとのビニールハウスで落ち合って、なかなかきつい女子トークに花が咲く場面があります。

「ちょっとみっちゃん、ここに集合かけてよっぽど困った話があるんやないの?」「あっうーん、ウチな、新しい彼できたんやけど服と車の好みがイマイチでな」「こないなおばさんになって、なんやそんなばかな話題!」「現実がシャレにならん毎日やから、女子高生並みにアホになって切り抜けようとしてるんやんけ!!」(すべて『パーマネント野ばら』より抜粋)

うつになる前も後も、不思議と思い出すワンシーンです。人生が楽しくない方にはぜひおすすめの一冊です。あまりにばかばかしいと思われても責任は負いません(笑)。私は大好きです。はっはっは。

さて、コロナになって、最初の自粛で、何に一番激怒したかと言えば、マスク争奪戦でもなく、トイレットペーパー取得並び待ち時間でもなく、「旅行」に行けないことでした。

私は旅行が大好きで、若い頃は一人旅、30代はなぜか母と二人旅、結婚してからは夫と車でと、ぶいぶい旅行に行っていました。一人旅はもっぱら京都で、母と一緒の時にはツアーの2泊旅行で東北から関西まで、夫と二人になってからは近場の温泉一泊または親族のいる三重に行ってお伊勢参りと、日本中を駆け巡り、あとは四国と九州を残すのみ。

海外も小さな事務所勤めだったころに「福利厚生」という立派な建前のもと、バリ島、ハワイ、イタリア、ロンドン・パリ、グアム、オーストラリア、香港。個人的にもシンガポール、バリ島、ハワイ、シチリア島、えーと、こんなところだっけ、とまあまあ旅行をしていました。

そして、海外あるいは国内でも日本人がたくさん亡くなったところでは行きはよいよい帰りは怖い状態で帰国し、ひどい風邪を引いて出かけたにもかかわらず治って帰国したのはハワイだけ、という面白い経験をさせてもらいました。ハワイのパワーは本物です!

そんな私ですから、近くの温泉にさえ(最近はもっぱら近場の穴場温泉巡りをしています)行けないなんて、やだやだやだー!と地団太を踏んでおりました。

6月東京もGoToに入れてもらって一番のお気に入りの八ヶ岳のオーベルジュに行けた時には、心底嬉しかったです。ここには薔薇の季節とクリスマスには必ず行きます。薔薇のときには帰り際サクランボ狩りという、これまた私の一年の一大行事もあって、絶対にはずせないのです。

で、うつで旅行に行って楽しめるかって?

確かにあまりピンとこないというか、面白みをあまり感じないときもありました。お医者様からは、「気持ちの乗らないときに旅行の計画は絶対NG」と言われていましたが、「はい、わかりました」としおらしく同意しておいて、出かけたときもあります。(先生、ごめんなせい。)たとえあまり何かを感じられなくてもどこかに行く、というのがささやかな気晴らしだったのでしょう。ただし、帰ってからはよれよれです。たった一泊の荷解きをして、洗濯物やらお土産物屋らをよりわけるだけで一大作業でした。そして、それが終わるとばったんきゅー。

じゃあ行かなきゃいいじゃん、と言われそうですが、私にとって風に吹かれるまま気の向くままどこかへ飛んでいく、というのはどうしても必要なことのようです。うつでもこれだけは止められなかった。家にずっといてもいいけど、かわいい猫を義姉にお願いしてでも、どこかへ行きたいのです。ただし、うつの頃は車内での会話もほぼなく、顔は能面のようだったと思いますが((-_-;)たらり)。

最近では車内でもおじさんギャグ爆裂、ひーひー笑いながら目的地に向かい、道の駅があれば必ず覗き、温泉には少なくとも4度は入る、そしてご飯はもちろん完食!です。そして、またまた自粛というなんじゃそりゃ、強制にせんかい!というあいまいなしかし厳粛な状況の中、私共県境を破って近場の温泉に行ってきました。(きゃー、石は投げないで)

東京では決して見られない青い空を見る、きれいな空気を吸う、森や湖を見て目を癒す。なにもせずにただただのんびりする。TVを見ながらピロトレもする。こんな贅沢あるだろうか。

というわけで、これからももし機会があれば、こっそりこっそりとどこかへ出かけるかもしれません。うつだって旅行に行くんだ!の巻でした。

ではまた続きは後日。





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