Photo by mamezouya 蛇と雀と僧侶 26 FXkaz 2024年4月16日 10:12 昔あるところに旅をしている僧侶がいた。ある日僧侶が道を歩いていると、雀が蛇に捕らえられている。雀が涙を流しながら僧侶に命乞いをするので、僧侶は雀を不憫に思い、蛇に語りかけた。「その雀はまだ若い。私の腕の肉と交換に助けてやってくれないか」すると蛇は不思議な天秤を持ち出すとこう言った。「これは命の重さを量る不思議な天秤だ。 この雀と釣り合うだけの肉を差し出せば雀を助けてやろう」僧侶は少し訝しげに思ったが、涙する雀を見てその交渉を呑むことにした。僧侶はまず腕の肉を少し削ぎ落とし、天秤の反対側に載せた。肉は雀と同じくらいの大きさだが、天秤はピクリとも動かない。更に肉を削ぎ落とし載せたが、やはり天秤はびくともしない。次々と肉を削ぎ落とし、とうとう片腕を失ってしまった僧侶だが、やはり天秤は一向に動く気配を見せなかった。業を煮やした僧侶が自ら天秤に乗ると、ようやく天秤は釣り合ったという。たまげた僧侶を尻目に、蛇は不適な笑みを浮かべて曰く、「どうだ坊主。この雀の命は、腕の肉切れ一片で足りるとでも思ったか。 己の命も犠牲に出来ぬ分際で命を助けるようなぞ 高尚なことをほざきおって、 おこがましくも哀れで愚かな人間らしいことよ」呆然とする僧侶を横目に、蛇は雀と僧侶の腕を丸呑みし、どこかへ去っていった。良かったらスキとフォロー、コメントなどいただけたら大喜びで部屋でジャンプしちゃいます!それでは、また次回!! ダウンロード copy #仏教 #note大学 #不思議 #蛇 #僧侶 #スズメ #天秤 #横目 #丸呑 #今日の噺 26 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート