FXノート「スキャルピングのエントリータイミングについて」

・デイトレードやスウィング・トレードでは、エントリーよりもイグジット(決済)ポイントが重要と言われるが、スキャルピングではエントリーの精度が命である。

なぜなら、デイトレでは数時間、スウィングでは数日間、決済までの猶予時間があるので、どこでエントリーしてもそれまでに利益が出る決済ポイントが、いくつも存在するからである。

一方、数分から10分程度でトレードが完結するスキャルピングでは、エントリーするポイントが悪ければ、利益が一度も出ないで10分間が経過することが多い。

つまり、スキャルピングでは良いポイントで入らなければ、どんなに決済ポイントを工夫しても負ける可能性が高く、だからこそ、エントリーの精度をできるだけ高める必要があるのだ。

さて、エントリーする精度を上げる方法はいくつかある。

①使用するインディケーターのエントリー基準を厳しくする

②各種フィルターでエントリーをふるいにかける②各種フィルターでエントリーをふるいにかける

③シグナル発生後に、すぐにエントリーしないで、引き付けてからエントリーする


①については、例えば私はエンベロープ【超スキャ手法】やボリンジャーバンド【爆スキャ手法】を使っているが、それぞれのパラメーターの基準を厳しくすると、エントリーの精度(勝率、利益率など)が格段に上がる。

しかし、パラメーターの基準を厳し過ぎると、エントリーチャンスが激減するので、このあたりのバランスがとても難しいと感じる。

また、為替相場の値動きは常に変化しているので、パラメーター基準の厳しさをその時々の為替相場の変動パターンに合わせて変化させないと、勝ち続けることは極めて難しい。

トレードチャンスを大幅に減らさないための工夫として、エンべロープやボリンジャーバンドなどのインディケーターのパラメーターを厳しくするのではなく、各種のフィルター(②)を使って、悪いエントリーポイントをふるいにかけて除外する。

フィルターの種類としては、ボラティリティーの高低や、複数の移動平均線の上下関係、時間帯フィルターなど、多種多様なものがある。

利用するインディケーターとの相性もあるので、とても奥が深い世界であり、
私はこれらの分析や検証に毎日膨大な時間を使っている。実際、私にとってこの作業は楽しくて仕方がないことだが、慣れない人にとっては苦痛かもしれない。

最後にエントリー精度を上げるアイデアとして、エントリーするタイミングをずらすという方法がある。

インディケーターのエントリー基準を厳しくするわけではなく、売買フィルターを利用するわけではないので、エントリーチャンスが減ることがないのが利点である。

具体的には、売買シグナルが発生してからすぐにエントリーするのではなく、
値動きのモメンタム(勢い)を監視し、有利な方向に動きそうな兆候が見られてからエントリーするのだ。

例えば下げ続けている場面で、インディケーターで買いエントリーのシグナルが発生したとする。

下げ圧力が強く、すぐにエントリーしても下落を続ける可能性が高いと判断した場合は、すぐにエントリーするよりも、下げ止まりの可能性が高いポイントまで待ってエントリーする方がよい。

代表的な下落圧力が収まる兆候として、例えば、長い下ヒゲを付けて戻ってくることや、ローソク足が陽線引けするなどがある。

ただし、これらの兆候を待つことのデメリットは、自分がエントリーを見合わせている間に値動きが反転して、結局、エントリーできずにチャンスを逃してしまうことがある。

どこまでエントリータイミングを引き付けるか、言い換えると、どこまでエントリーを見合わせるかは、その時の値動きの勢いや時間帯によるボラティリティーの高さを総合的に考慮し、決定することになるので、かなり経験が必要な判断になる。

このように、スキャルピングではエントリータイミングが命なのだが、様々な工夫をしてはじめて、良いポイントでエントリーすることが可能となり、それが損益に直結することになる。

インディケーターが発生させる売買シグナルに単純に従っているだけでは、
長期的に勝ち続けることはほとんど不可能であると思う。

したがって、どうやってトレードの勝率や利益率を上げるのかを常に意識して、日々、様々な検証や分析を継続していくしかないと、痛感している。

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