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推しの有料配信を聞いている、という話

注:写真はシカゴの博物館か何かで撮影したものである。本文とは全く関係ない。

今回も、架空の話をしようと思う。

以前、私には推しのお笑い芸人がいる、という話をした。きっかけは友人がライブに誘ってくれたことである。数年前のことだ。

心斎橋で待ち合わせて、みんなでハンバーガーを食べた。ライブ会場に行く道すがら、彼女が私たちにどれだけその芸人さんが面白いか、天才的かを語ってくれた。その話を聞いた後に観たライブは格別だった。

有料配信をされていたので、私も少しづつ聴くようになった。ライブも配信していたので、徐々にはまっていった。その友人はその芸人の人のことが大好きで、その様子もほほえましかった。

彼女は事情があって、ライブにこれなくなった。今もその事情がなければ、きっとライブにも来ているだろうし、有料配信も聞いているはずだ。

その有料配信、先日も聞いていたのだが、その芸人さんが「幸せな瞬間」についてコメントを募集された。ヘッドスパをしてもらうとき、とかほかにもいろいろコメントしたが、あることだけは書けなかった。

あの子もいて、みんなで有料配信を聞いていた時

振り返ると、本当に幸せだった。彼女の存在は、ファンもみんな知っている。ガチ恋だった彼女がライブにこれなくなった事情も。彼女は優しい人だったので、最後まで元気なふりをしていた。愚かな私は、なんだかんだ言って、彼女はずっと元気なのかもしれないと楽観的になっていた。本当に馬鹿だ。

今こうしてみんなで配信を聞いているのも、あとから思い返すと幸せだと思うのだろう。

と、こんなことを書いてしまうとしんみりしてしまうので、その配信の真にプレシャスなところを記述したい。

注:小学生レベルの下ネタが含まれます。

寒い日のことだった。その芸人はお散歩大好きなので歩きながら配信していた。突然、「おなか痛い」とか言い出されたような気がする。聞いている側は心配し、「大丈夫ですか?」「早く家に帰ってください」というコメントがあふれた。緊迫の帰路である。

歩きながらその芸人さんは小さく、「よし!・・・よし!」とつぶやいていた。がんばれー、と思いながら聴いていた。

帰宅されて、ドアを閉めた瞬間、その芸人さんは厳かに告げた。

「漏らしてしまいました・・・・」

爆笑した。聞けば、よし、よし、とか言いながら、少しづつ漏らしていたらしい。なんというフリ。人の不幸を笑うのも申し訳ないが、漏らす、という事象さえおもろく伝えてくる様子に天才を感じた。もちろんライブのネタはもっとおもろいのである。ライブのネタの中には言葉の定義を問い直すものや選択の自由についての考察が基礎になっていたりする。バチクソ面白い。さすが、ファンが配信聴いているところでうんこ漏らしただけはある。

尾籠な話で大変恐縮である。しかし、あの芸人の面白さが一人でも多くの人に届くことを心から祈る。

再度申し上げるが、この話は架空の物語である。

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