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10 years【井上勝正『サウナの讃歌は人間讃歌!!』最終回】

そのサウナの魅力は、そこにいる人を見ればわかるーー。”サウナそのもの”熱波師・井上勝正が、人を通じて”サウナそのもの”が醸し出す熱量のもとを探ります。

今年で熱波道を立ち上げて 10年だ。
何か月前だったか
熱波道プロデューサーの林和俊さんと雑談の中で
「熱波道っていつからやってたんでしたっけ?…もうよく解んなくなってきて、、」って聞かれたので

ボクは「東京でオリンピックをやるって決まった時からですよ、
滝川クリステルさんが「お、も、て、な、し。」ってやった時…」

そう答えた。
ボクは自分が発案した物(事)を忘れない。
覚えていたとしてもよく年代まで記憶しているよな、となんだか驚かれたりするが、
何か自分自身、その時にインスピレーションを強く受けた事象があったり
した時に 自分の脳内で磁気が走る様な閃きがある、ボクはいつまでもそれを忘れないのだ。

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それ以前までは横浜市鶴見区の
「ファンタジーサウナ&スパ おふろの国」で行われていた
単に清掃スタッフも時間になれば業務の一つとして行う熱波イベントを
「ハマ熱波」と言っていて、
それとボクが行う様な
「体力面、精神面に於いてもある一定以上の水準で取り組む「イベント」は差別化した方が良いのでは?」
という話になり、ちょうどそのネーミングを考えているタイミングで
東京でオリンピックを開催する事が決定しました、とテレビで知ったのだった。

2013年の話だ。

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現在ボクの行っているサウナで行う「イベント」は
ヨーロッパのサウナ入浴プログラム「アウフグース」を源流にしている。
そしてそれ専用のサウナで行う「ショーアウフグース」や「アウフグースショー」と言ったエンターテインメントでもない。

「一つの入浴プログラム」をボク自身の手で
「日本のサウナ施設や日本人気質に適応する様にプログラム改良し続けた物」だ。

なのでボクの行っている事を本当の意味で理解している人が何人いるのか?知ることはないが、
アウフグースとは「似て非なるもの」だ。

日本人(日本に住んでいる人の事、外国籍であろうがなかろうが日本で暮らしている人)の良い意味でも悪い意味でも「なあなあ」の部分も取り込んでいるので「特化し過ぎて」いて、国際的基準に照らし合わせるとすれば、
とてもじゃないが当てはまらないイベントだ。

ヨーロッパのサウナ入浴プログラム「アウフグース」はそうじゃない、
プログラムとして全てのコンプライアンスに適応していないといけない。
全ての人に平等に接する、それがプログラムとしての通常のアウフグースだ。

ボクはサウナの安全を守りつつも、全ての人に平等に接する訳ではなく、
何人かの入浴者に特別に声をかけたり、クールダウンを促したりと、
そういった部分にドシドシと踏み込んで行く。
(マナーには配慮しています)

単に「その人には」必要だ、と思うからだ。
(もちろんその時「自分は声をかけてもらわなくても平気です」といった声も受け入れる、ただそう言うことも可能性としてはある、と意識してもらう事が大切だと思っている)

コンプライアンス全盛の世界に於いてはこのボクの行動は否定され、危険視される事もあるだろう、

だけどボクはやる。

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ボクのやっている事は「アウフグース」ではない、
ロウリュはロウリュであるのだが、
…しかしこれも「おふろの国」で発生させる熱い水蒸気は「フィンランドのロウリュの定義」からは実は外れている。

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